研究課題/領域番号 |
14206024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 和夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20092174)
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研究分担者 |
西澤 豊彦 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (10222184)
中井 敏博 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (60164117)
室賀 清邦 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (30011993)
横山 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70261956)
良永 知義 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20345185)
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キーワード | 新興感染症 / ネオヘテロボツリウム / ビルナウイルス / 冷水病 / 白点病 / 微胞子虫 / 養殖魚 / 天然魚 |
研究概要 |
1)天然海産魚(9種366尾)におけるヒラメのビルナウイルスおよびVHSVの分布を調査したところ、アクアビルナウイルスがマァジ(23%)、ヒラメ(15%)、およびメバル(4%)から、VHSVがヒラメ(10%)およびイカナゴ(2%)から分離された。ヒラメ由来VHSVは一株を除き全てGenogroup 3 (American genogroup)に属し、増殖至適温度はニジマス由来VHSVよりやや高温であった。 2)冷水病菌のジャイレース遺伝子を標的としたPCR法を用いて、野生魚(フナ、ウグイ、アユ)の保菌状況を調べた結果、合計23株が得られた。冷水病菌ファージについては、養殖池水から6株が得られた。フナ由来菌株の多くはプラスミドを持たなかったが、特有のファージ型が存在することが明らかとなった。 3)岩手県宮古湾のヒラメ0-1歳魚におけるネオヘテロボツリウム・ヒラメの寄生状況を調査した。9月でも天然0歳魚の寄生率は7%と低く、秋の著しい減耗は起こらなかった。放流魚の寄生レベルは秋までは天然魚より低かったが、翌年にはほぼ同等となった。0歳魚の寄生レベルは春に低下したが、1歳魚となる夏以降は再び上昇した。これら1年魚が0歳魚の感染源になるものと推定される。 4)トラフグを宿主とした海産白点虫の感染実験系を開発し、最適化を図った。トラフグのゲノムはほとんど解読されているため、この感染実験系を用いて白点虫の分子レベルでの研究が容易になると考えられる。 5)千歳川において武田微胞子虫の感染状況を調査した結果、水温が14℃を越える7月上旬から9月下旬にサケ科魚類への感染期が存在することが示された。魚体内での微胞子虫の発育は水温に影響を受け、11℃では発症が抑制されたものの、18℃に移行すると発育を再開することが明らかとなった。
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