研究課題/領域番号 |
14206024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 和夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20092174)
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研究分担者 |
西澤 豊彦 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (10222184)
中井 敏博 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (60164117)
室賀 清邦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30011993)
横山 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70261956)
良永 知義 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20345185)
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キーワード | 新興感染症 / ネオヘテロボツリウム / ビルナウイルス / 冷水病 / 白点病 / 微胞子虫 / 天然魚 / 養殖魚 |
研究概要 |
1)予めアクアビルナウイルスに感染させたヒラメではVHSV感染が抑制された。また、浸漬感染ではVHSVは主に鰓、皮膚、脾臓、腎臓で増殖し、生残魚では心臓および脳からウイルスが検出された。VHSVは容易に水平感染したことから、天然ヒラメと養殖ヒラメの間で感染環が成立する可能性が考えられた。 2)宮古、小浜両海域のヒラメ0-1歳魚におけるネオヘテロボツリウム・ヒラメの寄生はともに夏低冬高の傾向がみられた。宮古湾では、1年に2回〜3回の寄生サイクルがあると推定された。両海域の寄生強度については、特に冬期には宮古湾より小浜湾の方が数倍高かった。 3)冷水病菌を特異的に溶菌する5株のファージがアユ養殖環境から分離した。得られたファージは飼育水中で数日間は安定であった。冷水病菌株は8種類のファージ型に分けられた。また、冷水病菌のアユへの感染方法ならびに人為感染魚に対するファージの感染防除効果を調べた。 4)宿主離脱後の白点虫のシスト形成に要する時間と沈降速度を調べた結果、シスト形成は海底に沈降した後に行われ、養殖生簀網への付着はほとんど無いことが推定された。また、マダイ養殖場での白点虫症調査からも、感染環が海底と生費網の間で生じていることが強く示唆された。 5)千歳川の河川水に魚を曝露後、武田微胞子虫の魚体内分布をPCRで調べた結果、経口的に感染する可能性が示された。河川水をプランクトンネットまたはフィルターで濾過してから魚に曝露する実験により、感染体または中間宿主は40μm前後の大きさであると推察された。
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