研究概要 |
1)G蛋質病解析の発展としてのレセプター・G蛋白質の作用機構の解明: (1)新たなPHP症例で発見されたGs-AVDT変異体の解析--G蛋白質解析のモデル疾患である偽性副甲状腺機能低下症laに下痢を合併する症例で発見されたGDP結合部位のA366近傍に4残基が負荷された変異を解析した。活性型変異であること、細胞特異的な脂質修飾が局在と活性を制御し機構亢進と機能低下を生じることが明らかとなった。 (2)レセプター・G蛋白質の共役を標的とするドミナントネガティブ変異体--プロトタイプを作成したが、Gs-AVDTが自体潜在的にドミナントネガティブに作用することを利用して改良を行い、細胞に発現してシグナルの70%抑制に成功した。 (3)レセプターによるG蛋白質の活性化を抑制するβγ変異体--我々はレセプターがβγを用いてGαを活性化するモデルを提唱・検証した(Nature,394:35-38,1998、PNAS,98:000-000,2001)。さらなる応用として、Gαと共役するが、レセプターによる活性化を抑制するβγ変異体をデザインした。 2)G蛋白質シグナルの過剰・異常の機構解析:心不全発症に関与すると想定されているβ2アドレナリン受容体刺激によるGsとGiの活性化機構を解析した。 3)新しいレセプター・G蛋白質シグナル機構と病態への関与: (1)レセプターのダイマー形成--ダイマー形成とシグナルの相関、潜在的な病態への関与の検討を開始した。βアドレナリン受容体(β1およびβ2)、アンジオテンシンII受容体について検討、潜在的なダイマーの存在が示唆された。
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