研究課題/領域番号 |
14251008
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
遅沢 克也 愛媛大学, 農学部, 助教授 (30233539)
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研究分担者 |
赤嶺 淳 名古屋市立大学, 人文社会学部, 助教授 (90336701)
柳澤 康信 愛媛大学, 理学部, 教授 (90116989)
立本 成文 中部大学, 国際関係学部, 教授 (50027588)
及川 洋征 東京農工大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70323756)
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キーワード | 海域世界 / ウォーレシア / 木造帆船 / 文化資源 / 生物資源利用 / 環境保全 / 海上生活者 / 生物資源管理の慣習 |
研究概要 |
本研究の目的は、木造帆船を拠点とした海域研究の体制づくり、ならびに、ウォーレシア海域の離島群における熱帯生物資源の利用と管理にかかわる在地の技術体系とその変容過程の解明にある。前年度に調査船Cinta Laut号は建設は概ね完了したが、今年度前半に最終施工を施し、5月5日に進水式を実施。その後、テスト航海を繰り返しながら、搭載する主動力関係、通信設備などの調整を行なった。実際の調査航海の開始に先立ち、本研究事業の趣旨・目的を広報する意味からも8月7日に「完成式典」をマカッサール市において行なった。これには、州知事、州観光局、プルクンバ、スラヤール両県の関係者、在マカッサールの各大学の学長ならびに日本総領事等が出席した。内外のマスコミも本研究事業を取り上げ、テレビ放映4件、新聞掲載計8件に及んだ。 調査航海は8月から9月にかけて、スペルモンデ諸島ならびにタカボネラテ諸島を対象として計3回実施された。これらの航海には、研究分担者だけでなくハサヌディン大学を中心とするインドネシア側の若手研究者も同乗し、各研究テーマに基づく調査が実施され、船上では活発な議論が行われた。その結果、船を拠点にした新たな海域研究を展開する確かな手応えを得るに至っている。船を駆使して初めてアプローチできる珊瑚海域の離島群の現状把握からは、民族間移動、森林利用、造船、漁労活動、社会変容の動態など多くの新知見を得ている。ここで蓄積された新知見は、今年6月開催予定の日本生態学会のシンポジウム企画「新たな海域世界研究に向けて」や学術誌「東南アジア研究」の特集号として成果を公表していく予定である。また、今年度予定している調査航海の成果も合わせて、本研究事業で12月に予定している国際シンポジウム「海に生きる人々から何を学び、何を貢献するか」において発表していく予定である。
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