研究分担者 |
山口 和子 岡山大学, 文学部, 教授 (90093476)
古東 哲明 広島大学, 総合科学部, 教授 (10153777)
水島 裕雅 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10034597)
末永 航 広島女学院大学, 生活科学部, 助教授 (40187612)
菊屋 吉生 山口大学, 教育学部, 助教授 (60294617)
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研究概要 |
本研究は戦争を諸文化・諸民族の対立として把握し,学際的問題として包括的な観点を提示することで学問的な批判を深め,多様な価値観の共生の可能性を探ることを目的としている。研究を実施していくにあたり,本年度は各研究者個別の課題についての研究の深化を第一の課題とし,加えて,研究組織外の研究者との交流,意見交換を行うこととした。 各研究者個別の課題については水島が社会と女性との関係を堀辰雄を例にとって解明し,山口はシェリング研究の中でポストモダンとの関係を『後期シェリングとポストモダン』として発表した。青木は近代の東アジアにおける教養主義の成立の状況を明らかにし,長田は古代ギリシア・ローマ世界における他者の観念を神話と音楽を例にとって明らかにした。さらに菅村は日本の六道絵画における中国説話の受容の様相を明らかにした。また原は,中国国内において日本人和東皐心越」(日本人と東皐心越」)と題する口頭発表等を行い,日本と中国の交流の実相を人々に示した。これらは他者や異文化との摩擦あるいは受容の,芸術における様相を分析するものであり.本研究課題の研究進展に大きく貢献した。 研究組織外の研究者との交流は,平成16年2月に開催したの本課題の研究会において.香川檀.河田明久両氏を招き,「戦争と美術」(ホロコーストに関わる美術,日本近代における戦争画)をテーマとして講演を頂いたほか,意見交流をとおして研究課題に関する助言を得た。これらは研究組織内における問題意識の共有化を進めたほか,新たな視点での研究の取り組みを促すこととなった。
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