研究課題/領域番号 |
14310035
|
研究機関 | 独立行政法人東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
尾崎 正明 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 副館長 (00113423)
|
研究分担者 |
松本 透 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 企画課長 (90150044)
中林 和雄 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 美術課, 美術課長 (50217816)
古田 亮 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 美術課, 主任研究官 (20259998)
鈴木 勝雄 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究官 (30321558)
|
キーワード | 美術史 / 芸術学 / 多文化 / 中央 / 地方 / 風土 |
研究概要 |
3年計画の最終年度にあたる本年は、(1)「ロマンティシズム」の系譜、(2)東北の作家たちと風土、(3)関西の作家たちと風土、(4)岡本太郎と文化人類学、(5)柳宗悦と朝鮮、民芸、(6)沖縄、島の時空、の6つのテーマに沿って、具体的な研究成果を意識しながら、ひきつづき各研究担当者による資料収集と現地調査を行った。既に研究の成果に結実した(1)については比重を下げ、(2)以下、とりわけ今年度の課題であった(4)以下のテーマを主に研究を進めた。 「(2)東北の作家たちと風土」に関しては、東北出身の作家の研究から、むしろ東北に赴いて作品を制作した作家に焦点を当て、中央と地方の交流という観点から、東北の風土と関わりのある美術について考察した。当館で秋に開催された「木村伊兵衛」展は、「秋田」シリーズをはじめ地方の生活、民俗に多大な関心を払った写真家の仕事を検証するものとして、その成果の一端を含む。 「(3)関西の作家たちと風土」に関しては、引き続き村上華岳の書簡類の整理・調査を続け、報告書における文字化の準備を進めた。 (4)、(5)、(6)は、今年度最も力を注いだテーマである。これらの三つのテーマに共通するのが、岡本太郎、柳宗悦いずれもが魅了された「沖縄」という場所である。日本の近代美術史において「沖縄」という場所が果たした役割を検証するために、資料収集、作品調査を目的とした数度にわたる現地調査を行った。また、沖縄県立現代美術館設立準備室の翁長直樹氏を招聘し、上記テーマに関しての研究交流会を設けるとともに、本土という外の視点と、沖縄内部の視点との両面から「沖縄」をめぐる表現について調査研究を行っていく協力体制を整えた。
|