研究分担者 |
星野 祐司 立命館大学, 文学部, 教授 (20202301)
八木 保樹 立命館大学, 文学部, 教授 (20210221)
吉田 甫 立命館大学, 文学部, 教授 (80094085)
北岡 明佳 立命館大学, 文学部, 助教授 (70234234)
尾田 政臣 立命館大学, 文学部, 教授 (00298720)
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研究概要 |
各研究担当者は,前年度(初年度)における研究協議の成果や個別の研究経過を背景に,本研究課題のキイとなる「基準」および「ヒューマン・ファラシー」の概念をそれぞれの分担領域における研究遂行上の柱として位置づけ,前年度に継続して実証的研究計画の立案とそれに基づく実験データの入手に努めた。それらの成果の一部は,前年度実績以降の2003年度論文として幾つか公刊され,現在,学会機関誌に投稿・審査中の論文も複数件ある。このほか,各研究担当者はそれぞれの所属学会の年次大会等で継続的に成果発表を行ってきており,2003年度は合計20件余の発表を数えた。実験および調査等の実施に必要な研究環境の整備も著しく進行した。 実験データの入手に加えて,本研究課題のキイ概念のもとで,各研究担当者が過去に個別に行ってきた研究成果に改めて論考を加える作業や,担当領域に関する内外の研究成果を新たな視点から整理することを試みる研究ノートの執筆も開始された。例えば松田(2003)が,本研究課題の全体に共通する研究意図を要約した上で,視覚の事象と関連する「基準」を,身体に固有の生体的内在的基準,環境に外在する物理的客観的基準,過去経験や知識に依存する概念的認知的基準の3つに大別し,それらが知覚判断や解釈の枠組みとなるときに現れてくる「ファラシー」の諸相について事例的な概観を試み,Kitaoka(2003)が,運動知覚や動く錯視を事例に「関係枠」と「ファラシー」について論じたのは,その試みの一環であった。このような試みは,各研究担当者の分担領域における実証的研究成果の発表と並行して,次年度以降も鋭意継続していくこととしている。
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