研究分担者 |
尾田 政臣 立命館大学, 文学部, 教授 (00298720)
星野 祐司 立命館大学, 文学部, 教授 (20202301)
八木 保樹 立命館大学, 文学部, 教授 (20210221)
北岡 明佳 立命館大学, 文学部, 助教授 (70234234)
服部 雅史 立命館大学, 文学部, 助教授 (50301643)
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研究概要 |
本研究は平成14年度から4年間の継続研究であり,当初からの研究目的は下記のとおりであった。すなわち,私たち人間の心の営為やその現われとしてのパフォーマンスは,ある種の基準に照合して実行されているのであろうが,一概に「基準」といっても,客観性に支えられた比較的普遍なものから個々人の主観に委ねられたものまで多様かつ可変であり,ある状況の下で人々が採用する基準は多くの中の一つであるに過ぎない。そのため,人々の心の営為やパフォーマンスが,時には「ヒューマン・ファラシー」と概括的に定義される様相を呈することがある。このような共通の視点から,各研究担当者は,心理学の研究領域における「感覚・知覚」,「認知・ヒューマンインタフェース」,「学習・記憶・思考」,「人格・社会」など広範囲な領域で個別に取り扱われてきた研究対象とその成果を改めて見直し,互いに「基準」と「ヒューマン・ファラシー」というキイ概念を適宜確認しながら,それぞれの担当領域における実証的および論考的研究を進めることを目標としてきた。そして本年度は,学会誌等論文19件を公刊(他に査読中の論文3件),学会等で21件を発表した。また,本年度は研究期間の最終年度にあたるので,過去3年間の成果と合わせて,『研究成果報告書』として集成することに最終の目標をおいた。 『研究成果報告書』(全509頁)には,研究期間内に公表した学会誌等論文38件と学会等発表81件(成果一覧に記載)のうち,主要研究成果として公刊論文34件と学会発表論文29件を再録し,加えて,草稿論文7件を掲載した(査読中の論文は掲載を割愛)。当初の目的に鑑みると,特定サブ・テーマに研究関心が集中し過ぎて領域全体の展望的論考が十分には果たせなかったことなど多くの課題が残されたものの,今後とも「基準」と「ヒューマン・ファラシー」は,心と行動の総合的理解に資するキイ概念の一つに位置づけられてよいと考えている。
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