研究課題/領域番号 |
14310068
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金子 勇 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50113212)
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研究分担者 |
片桐 資津子 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (20325757)
園部 雅久 上智大学, 文学部, 教授 (00154716)
森岡 清志 東京都立大学, 人文学部, 教授 (50125358)
松宮 朝 愛知県立大学, 文学部, 講師 (10322778)
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キーワード | 少子化 / 子育て支援 / 次世代育成 / 少子化対策行動計画 |
研究概要 |
本年度は、これまでの研究実績を受けて、2003年8月に富良野市民500人調査を行った。最終的な有効回収票は378票で、有効回収率は75.6%である。都市調査としては成功と評価できる回収率であり、現在は分担者ともども、鋭意データの分析中である。 調査の主な課題は、少子化の原因になっている市民の経済的負担、時間的負担、肉体的負担、精神的負担についての分析と、「社会全体」での取り組みを具象化した「子育て基金」についての市民の判断の解明にある。富良野市民データを利用しつつ、個別から全体像を構築する。 「社会全体」を国、自治体、企業、産んだ親の四者に想定した従来からの負担解消の方法についての男女差結果を見ると、四者による経済的負担については男女ともに賛成が多いが、その格差は歴然としていて、四者へのこだわりは男性よりも女性に多かった。しかし、介護保険の理念に立脚した「社会全体」での負担は、市民には受け入れられたとはいえず、さらに「子育てフリーライダー」まで巻き込んだ「社会全体」での負担の男女差も確認できなかった。 今後10年間での主体には「国、自治体、企業、産んだ親の四者」を超えるものが想定されなければ、不公平感が国民各層に増幅し、「子育て支援」そのものが長続きしない。 これらを踏まえると、新年度全国的に開始される「次世代育成」のための「行動計画」策定では、「社会全体」の定義を最優先し、定義された「社会全体」を巻き込む政策づくりや制度化の方向性の確定が筆頭課題になるから、最終年度ではその方向性を探求したい。
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