研究課題/領域番号 |
14310084
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三隅 一百 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (80190627)
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研究分担者 |
久慈 利武 東北学院大学, 教養学部, 教授 (40024484)
小林 淳一 福岡大学, 人文学部, 教授 (20113243)
高坂 健次 関西学院大学, 社会学部, 教授 (60027977)
佐藤 嘉倫 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90196288)
長谷川 計二 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (00198714)
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キーワード | 社会学理論 / フォーマライゼーション / 現代社会問題 / 数理社会学 |
研究概要 |
本プロジェクト初年度にあたる平成14年度は、大きく理論的伝統班と現代社会問題班に分かれて研究活動を行ってきた。ただし両班の活動を有機的に関連づけるべく、実質的には全メンバーが両班の活動に何らかの形で関与する形をとった。 理論的伝統班では主に、本プロジェクトの前身にあたる科研プロジェクト(基盤研究(B)(1)、11410047、三隅一百代表)の継承と展開を行った。その前身プロジェクト報告書の中国語訳を完了し、インターネット上で公開した(http://scs.kyushu-u.ac.jp/~km2/)。また、個々の報告書論文について、今回の研究課題への接続をにらみながら改訂・英訳を進め、数理社会学日米合同会議(2002年6月バンクーバー)、International Sociological Association世界大会(2002年7月ブリスベン)等の国際会議で成果を報告した。さらにその改訂日本語版を単行本の論文集として勁草書房から出版する予定である(現在印刷中)。また新たな社会学的伝統の掘り起こしを進めるべく、各人の個人的研究をベースにしながら、本プロジェクトの課題に関わる論点やモデルを整理した(この作業はまだ不十分なので来年度も継続)。 現代社会問題班では、資料、官庁統計、杜会調査データの収集・再分析とともに、いくつかの現状分析的な文献にもとづく議論を行った。労働形態の多様化と不平等・公正感との関係、公共事業を含む公共財管理の問題、グローバリゼーション=アメリカナイゼーションへの対抗的システムの問題、等が主なトピックスである。それぞれについて、合理的選択理論、機能主義理論、マルクス主義理論等による説明の妥当性を吟味し、数理社会学的なアプローチがそこで果たしうる役割について議論した。この作業についてはまだまとまった成果は出ていない(来年度も継続)。
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