研究課題/領域番号 |
14310203
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
釜谷 武志 神戸大学, 文学部, 教授 (30152838)
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研究分担者 |
林 香奈 京都府立大学, 文学部, 助教授 (30272933)
佐竹 保子 東北大学, 文学研究科, 助教授 (20170714)
興膳 宏 京都国立博物館, 館長 (70023984)
長谷部 剛 鹿児島県立短期大学, 助教授 (50308152)
佐藤 大志 安田女子大学, 文学部, 助教授 (90309625)
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キーワード | 楽府 / 制度 / 雅楽 / 宋書 |
研究概要 |
六朝期の楽府制度ならびに楽府詩を研究する上で、最も重要な基本的文献は、『宋書』楽志である。その楽志の「一」は、古代から劉宋にいたる音楽史の概論で、まず郊祀や宗廟などの歌を中心とする雅楽について記述し、ついで俗楽、八音の楽器の説明に及んでいる。昨年度の研究では、『宋書』楽志一の雅楽史に関する部分で、晋代までを対象に詳細な注釈と訳文を完成して公表した。 今年度はそれにつづいて雅楽史部分の本文校訂と訳注作成の作業を終え、さらに俗楽中の雑舞をあつかった箇所までの訳注を完成して、「『宋書』楽志一訳注稿(二)」としてほどなく学界一般に公開する運びになっている。この中で、定評ある中華書局標点本の誤りを訂正して、従来の注釈書では解釈し号なかったところを明らかにすることができた。 加えて、研究分担者は各自のテーマのもとで研究を行なった。たとえば、「六朝楽府文学の展開と声律論」では、東晋における楽府断絶が宮延音楽の復興と楽府文学の再興をむかえて、声律に対する意識を高め、それがのちの声律論の発生に大きく作用したことを明らかにした。また「相和・十五について」は、『宋書』楽志の標点本が「烏生、十五」と校訂しているのをとりあげて、魏晋の旧曲を捜求した結果、これが「烏生八九子」の誤りであろうことを論じた。これらはいずれも近々学術雑誌に発表する予定である。 来年度は『宋書』楽志一の最後までの検討を終えて、「『宋書』楽志一訳注稿」全部を完成させるとともに、研究分担者が各自の研究テーマにしたがって研究を実施し、六朝楽府研究全体をまとめるようにする予定である。
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