研究分担者 |
三浦 篤 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10212226)
鈴木 啓二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70187722)
工藤 庸子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30139638)
立花 英裕 早稲田大学, 法学部, 教授 (80207050)
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研究概要 |
1 2年目の今年度は、1年目に引き続きフランス第二帝政関係の図書資料、特にパリの地図などを購入し、大学院総合文化研究科の研究室に備え付けた。 2 研究課題に関する資料収集のため、鈴木が2003年7月29日から8月13日までフランスに渡航し、パリの国立図書館で調査を行なった。 3 本課題との関連で、石井が実行委員長、立花が同副委員長となって2002年10月4日から6日まで東京大学駒場キャンパスで開催した国際シンポジウム「ロートレアモン-ロマン主義から現代性へ」の報告論文集、Maldoror Hier et Aujourd'hui, Lautreamont : du romantisme a la modernite Actes du Sixieme Colloque international sur Lautreamont, Tokyo, 4-6 octobre 2002, Cahiers Lautreamont : livraisons LXIII et LXIV (Du Lerot)を、2003年7月、フランスで刊行した。これはパリに拠点が置かれている「イジドール・デュカス研究者協会」との密接な連携・協力によって製作されたもので、シンポジウム参加者34名のフランス語による論文を集めた374頁に及ぶ分厚い報告書であり、雑誌とはいえほとんど単行本と言っていい体裁のものである。これに石井が序文:Avant-proposと論文:La Poetique de la verticalite chez Lautreamont (ロートレアモンにおける垂直性の詩学)を、立花が論文:<<Une araignee de la grande espece>> et la narration moderne(「大型種の蜘蛛」と現代的話法)を、それぞれ執筆している。この報告書の刊行により、フランス第二帝政期の詩人であるロートレアモンの作品が多方面から照射され、パリの都市空間と創造行為の関連についても多くの知見を得ることができた。また、論文集がフランスで刊行されたことにより、本課題の研究成果の一部を国際的に発信することができたことも大きな収穫である。なおこの報告論文集は目本側で200部を受領し、関係各方面に配布した。 4 上記報告論文集の日本への搬送・配布に関する打ち合わせ、及び資料収集のため、石井が2003年8月26日から9月9日までフランスに渡航した。 5 工藤は本研究課題と密接な関連を持つ著書『ヨーロッパ文明批判序説』(東京大学出版会)を2003年4月に刊行し、この業績によって学術博士号を授与された。 6 その他、研究代表者及び研究分担者は各自の研究テーマに沿って成果を論文等の形で発表した。これらの成果を踏まえてみると、この研究課題は第二帝政に続いてさらに第三共和制へと延長され得る可能性が展望として開けてきたように思われる。
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