研究課題/領域番号 |
14340017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中村 博昭 岡山大学, 理学部, 教授 (60217883)
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研究分担者 |
田中 克己 岡山大学, 理学部, 助教授 (60207082)
吉野 雄二 岡山大学, 理学部, 教授 (00135302)
山田 裕史 岡山大学, 理学部, 教授 (40192794)
廣川 真男 岡山大学, 理学部, 助教授 (70282788)
勝田 篤 岡山大学, 理学部, 助教授 (60183779)
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キーワード | 遠アーベル幾何 / 外ガロア表現 / タイヒミュラー空間 / 写像類群 / 組紐群 / 絶対ガロア群 / グロタンディーク予想 / リーマン面の被覆 |
研究概要 |
今年度の前半においては、主に楕円曲線の普遍族に関するモノドロミー表現のメタアーベル商を記述する測度関数を考察し、アイゼンシュタイン級数の周期関数としてあらわれる一般化されたデデキント和との関連を明らかにした。特にウェイトを動かすときの測度関数のモーメント積分を詳細に記述するための合同式を証明した。この結果は7月にドイツのオーベルヴォルファッハ研究所で行われた研究集会や8月に室蘭工科大学で開催された第47回代数学シンポジウムにおける招待講演で報告した。9月に岡山大学に異動となり、研究環境の整備に力を注ぐとともに、グロタンディーク・タイヒミュラー群の中で絶対ガロア群の像がみたすパラメーターたちが満たす方程式の研究にとりくんだ。種数0の非ガロア的な被覆関数を考察することで、今まで知られていない型の方程式を一つ発見した。これに加えて、マグナス・ガスナー型の表現を利用するという新しい着想に基づいて研究した結果、アデール的ベータ関数を用いた2変数位相行列環の中で成立する方程式も見出した。また、楕円曲線の族の中でガウス楕円曲線の配置を考察することで新たな結果を得た。これらの結果の一部については、11月にフロリダ大学で開催された研究集会での招待講演や、1月にアメリカで開催された数学会の特別講演などで発表した。年度末近くになり、フランスのロチャック、シュネップス両博士から接基点の応用について共同研究の申し入れがあり、必要な計算の一部を分担した。これにより、射影直線の5点配置空間における5次巡回対称点から最大退化点までの標準経路のガロア変換コサイクルをグロタンディーク・タイヒミュラー群のパラメータとクンマー指標で書き表す問題の解決に近づいた。
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