研究分担者 |
山田 裕史 岡山大学, 理学部, 教授 (40192794)
吉野 雄二 岡山大学, 理学部, 教授 (00135302)
田中 克己 岡山大学, 理学部, 助教授 (60207082)
勝田 篤 岡山大学, 理学部, 助教授 (60183779)
廣川 真男 岡山大学, 理学部, 教授 (70282788)
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研究概要 |
今年度の前半は、組紐群へのガロア群の作用を記述する伊原・松本の論文の手法を,Gerritzen Herrlich-Putによる種数0の標点つき射影直線のモジュライ空間の安定コンパクト化の論文と比較して,モジュライ理論としてより自然な解釈を考察した。この方法の一部については東京大学大学院数理科学研究科における集中講義で紹介したが,講義ノートはまだ不十分であり全体像をまとめるには至っていない。もう少し時間をかけ満足いく形に仕上げる必要がある。 後半は、遠アーベル代数幾何学の高次元での世界について考察を進めた。特にボン大学の新進気鋭の数学者Jakob Stix氏から、研究代表者が数年前に発表した本研究課題の出発点の一部を形成している論文を氏が取り上げ新視点から公理化の試みを行った内容をプレプリントにまとめたものが,夏頃に研究代表者に送られコメントとレビュー依頼があったため、これに応じた。Stix氏の研究内容と一本研究課題との関連性と重要性が認められたため、2月から3月にかけて氏を岡山大学に招へいするとともに,京都大学数理解析研究所の研究分担者である玉川安騎男教授・望月新一教授とも連絡を取り、講演会や小研究集会を開催した。日本側からも遠アーベル幾何学に関する最新の研究成果をコミュニケートすることができ双方にとって大変意義深い研究交流を実施することができた。 その他の研究分担者にも、それぞれの専門の立場から研究課題に関連する内容の発展について協力を頂いているが、今年は国立大学法人の発足の年にあたり必要な図書備品・消耗品について運営費交付金でカバーできる枠に大幅な資金不足が生じたため、本研究課題と関連する必要な図書備品・消耗品の購入に当たっては当初の想定より大きめに予算枠を割いて投入せざるを得なかった。
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