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2004 年度 実績報告書

高炉スラグ微粉末混和コンクリート部材の鉄筋発錆限界状態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14350235
研究機関九州大学

研究代表者

松下 博通  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10038036)

研究分担者 鶴田 浩章  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (90253484)
濱田 秀則  独立行政法人港湾空港技術研究所, 材料研究室, 室長(研究職)
武若 耕司  鹿児島大学, 工学部, 助教授 (10155054)
添田 政司  福岡大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50148871)
近田 孝夫  新日鐵高炉セメント(株), 技術開発センター, センター長(研究職)
キーワード高炉スラグ微粉末 / 中性化 / 塩害 / 鉄筋腐食 / 塩化物イオン / 複合劣化 / 塩化カルシウム
研究概要

高炉スラグ微粉末は長期材齢おいて潜在水硬性を発揮し,コンクリートの組織を緻密化させ,コンクリート構造物の耐久性を向上させるのに有効な混和材料であることが知られているが,混和率や養生条件が中性化速度,塩分浸透速度あるいは鉄筋発錆条件に及ぼす影響や,塩害と中性化,酸性雨と中性化などの複合劣化に関してはデータの蓄積が不十分である。
今年度は,塩害と中性化,および酸性雨と中性化の複合劣化を想定した促進実験を行い,昨年度までの実験結果とを比較し,考察を行った。また,近年,道路の凍結防止剤としての利用が増加している塩化カルシウムに対する劣化抵抗性についても検討を行った。その結果,以下のような結論を得た。
1.塩害と中性化の複合劣化試験の結果,水結合材比50%以上では中性化の影響により,コンクリート内部への塩分浸透が促進されること,全塩化物イオン濃度と可溶性塩化物イオン濃度との間には直線関係があること等を明らかにした。
2.酸性雨と中性化の複合劣化試験の結果,スラグ置換率が大きくなるほど中性化や鉄筋腐食速度が大きくなるが,初期養生を十分に行うことで抑制可能なこと等を明らかにした。
3.塩化カルシウム溶液への浸潰実験の結果,スラグ無混和の場合はスケーリングによる表面剥離現象を生じるもののスラグ混和により抑制可能であること,塩化カルシウム溶液を用いた場合も塩化ナトリウム溶液の場合と同様に濃度分布を拡散方程式で表現可能なこと等を明らかにした。
上記の他,初期ひび割れが中性化や塩分浸透に及ぼす影響,海洋環境曝露供試体の酸素拡散性状と鉄筋腐食の関係,表面改質剤による劣化抑制効果等についても検討した。また,塩分浸透モニタリングセンサの開発を行い,実験室レベルでは塩分浸透状況を検知可能であることを確認した上で,実構造物へ適用する際の問題点等について示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 高炉スラグ微粉末を用いたモルタル部材の酸性雨と中性化の複合劣化に関する基礎的研究2005

    • 著者名/発表者名
      松元 淳一
    • 雑誌名

      土木学会西部支部研究発表会講演概要集 (CD-ROM)

      ページ: 803-804

  • [雑誌論文] 高炉スラグ微粉末を混和した高強度コンクリートの塩化カルシウム溶液に対する劣化抵抗性2004

    • 著者名/発表者名
      前田 悦孝
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集 26・1

      ページ: 765-770

  • [雑誌論文] 高炉スラグ微粉末の混和が高強度コンクリートの中性化に及ぼす影響2004

    • 著者名/発表者名
      祝井 健志
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集 26・1

      ページ: 771-776

  • [雑誌論文] 初期に導入したひび割れがコンクリートの耐久性へ及ぼす影響に関する研究2004

    • 著者名/発表者名
      橋口 大輔
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集 26・1

      ページ: 729-734

  • [雑誌論文] コンクリート中鉄筋の電気化学的計測に影響を及ぼす容易人に関する実験的考察2004

    • 著者名/発表者名
      濱田 秀則
    • 雑誌名

      コンクリート工学論文集 15・1

      ページ: 57-68

  • [雑誌論文] Concrete After 30 Years of Exposure - Part II : Chloride Ingress and Corrosion of Steel Bars2004

    • 著者名/発表者名
      T.U.Mohammed
    • 雑誌名

      ACI Materials Journal 101,1

      ページ: 13-18

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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