移築という現象を、建築に関わる多くの行為から拾い上げ、考察を行うことで、従来の建築に対する価値評価の観点を再考することが可能となった。具体的な移築事例は、報告書にて報告を行った。報告書の目次は以下の通り。 ・方法としての「移築」 (総論) ・慶長度内裏造営にともなう公家邸宅移転について (近世) ・伊勢神宮における古材転用の様相 (近世) ・幕末の大名屋敷と移築 (近世) ・大水から逃げる町-新川原町- (近世) ・邸宅へ配された古建築の類型と移築再生の手法 (近代) ・白川村合掌造の移築ラッシュ (現代) ・鴨長明の住んだ方丈の土台 移築の技術論 (中世) ・春日大社と移築 中世における旧社殿の行先 (中世) ・豊国社の破却・移築 (中世・近世) ・フロイス『日本史』にみる「移築」 (中世・近世) ・指図に記された移築 (近世) ・乾隆皇帝の注文した日本建築 (近世) ・城郭の移築 (近世・近代) ・移される武家屋敷門 (近代) ・三井家城山山荘本館 建築古材のゆくえ (近代) ・明治村/移築保存という問題をめぐって (現代) ・現代の曳家技術 戦後復興土地区画整理事業と曳家 (現代) ・韓国における住宅文化財の移築保存 (現代) ・中国における移築型集落建築博物館の成立に関する調査研究 (現代) ・重要文化財における移築とその理由 (現代)
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