研究課題/領域番号 |
14350387
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平田 好則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00116089)
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研究分担者 |
宮坂 史和 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304012)
黄地 尚義 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00089880)
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キーワード | 電界放出 / マイクロ熱加工 / 真空絶縁破壊 / SEMその場観察 / カーボンナノチューブ / プラズマCVD / 仕事関数 / FNプロット |
研究概要 |
本研究では微小かつ高密度の電界放出電流を熱源として用い、ナノサイズからマイクロサイズの溶接や穴あけなどの熱加工プロセスを行ううえでの問題点を明らかにするとともに、現象の支配因子を抽出して、実用に供するために加工部の性状を明らかにすることを目的としている。本年度に行った研究・開発および得られた成果を報告する。 (1)針状タングステン電極による真空絶縁破壊特性 電解研磨により先端曲率半径をサブマイクロメートル以下に加工した針状タングステンを電極として用い、電界放出電流がそのトリガとなっている真空中(SEM試料室内)での絶縁破壊特性を明らかにした。ギャップ長10nm〜2μmの範囲で調べ、先端曲率半径にもよるが、最小30V程度にしても放電が生じ、試料陽極には1μm程度の溶融スポットを再現よく形成することが可能となった。 (2)カーボンナノチューブ(CNT)膜の電子放出特性の調査 ニッケルを基材としてプラズマCVD法を用いてCNTを成膜し、成膜条件と電子放出特性の関係を調べた。実験結果をFNプロットし、基材形状が平面の場合、等価仕事関数をほぼ0.2eVと見積もった。マイクロ熱加工を対象としているので、針状基材への成膜も試み、成膜条件を探査した。現状ではバイアス電圧により針状基材の先端に電流が集中するため、成膜条件範囲がかなりせまく、等価仕事関数も0.9eV程度で平板に比べると、電子放出性能がよくない。今後、試料ホルダー形状や装置内の配置などを考慮し、適正条件を明らかにする予定である。
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