研究課題/領域番号 |
14350387
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平田 好則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00116089)
|
研究分担者 |
黄地 尚義 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00089880)
宮坂 史和 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304012)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
キーワード | 電界放出 / マイクロ熱加工 / SEMその場観察 / カーボンナノチューブ / 真空絶縁破壊 / 溶融スポット / 仕事関数 / FNプロット |
研究概要 |
本研究では高密度の電界放出電流を熱源として用い、ナノサイズからマイクロサイズの溶接や穴あけなどの熱加工プロセスを行ううえでの問題点を明らかにするため、基礎実験を行ってきた。 得られた結果を項目別に報告する。 (1)カーボンナノチューブ(CNT)成膜電極の電界放出特性の理論的予測 ニッケル棒を基材にした針状CNT成膜電極から放出される電界放出電流の分布を理論的に求めた。計算モデルでは電極形状を回転双曲面体に仮定し、電極表面の各位置での電界強度を求め、フォウラーノルトハイム式から電子電流密度を求めた。陽極に流入する電流分布サイズは加工寸法を支配するが、電極先端曲率半径とギャップ長によって大きく変化する。 (2)カーボンナノチューブ成膜電極の電界放出電流の実測 CNT成膜した針状電極と陽極(ステンレス鋼)とのギャップ長を0.1μmから2μmに設定し、それぞれのギャップ長に対して、最大100Vまでの三角波電圧を加え、電界放出電流を測定した。実験による電流波形は電圧とともに指数関数的に変化し、FNプロットにより、電界放出電流であることを確認した。また、ギャップ長や曲率半径などが電界放出電流に及ぼす影響を計算値と比較したところ、定性的な傾向は一致したが、具体的な電流値は1桁程度実験値のほうが大きく、電極形状の取り扱いやCNTの等価仕事関数の見積もりなど今後の課題が明らかとなった。 (3)電界放出電流加工法の検討 CNT成膜した針状電極を対象に、ギャップ長と電圧をパラメータとして加工を試みた。実験では、放電を伴う場合に、0.5〜2μmの溶融スポットを形成することができたが、電界放出電流のみでは溶融痕を見つけることができず、今後、電極先端の曲率半径を小さくするなど、電流を集中させる必要があることが分かった。
|