研究課題/領域番号 |
14360011
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
大場 伸也 岐阜大学, 農学部, 助教授 (80221836)
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研究分担者 |
荒井 輝博 岐阜県農業技術研究所, 育種部, 研究員
下山田 真 岐阜大学, 農学部, 助教授 (60235695)
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キーワード | 作物 / 脱粒 / 収量 / ダイズ / ソバ / コンバイン / 収穫 / 現地調査 |
研究概要 |
作物の脱粒性による収量損失の発生メカニズムを明らかにするために、昨年度の研究結果を踏まえて本年度は、(1)農家圃場におけるソバの収穫時における収量損失量の推定、(2)ダイズの裂莢による収量損失を回避するための栽培条件の検討、(3)ダイズの生育に及ぼす街路灯の影響を回避するための光質の検討、などを行った。 農家圃場におけるソバ収量の損失:岐阜県内3町村の農家圃場11箇所について、収穫時の収量損失を評価した。調査した圃場には、普通ソバとダッタンソバが栽培されており、また収穫作業はそれぞれの農家が保有するコンバインによって行われた。普通ソバとダッタンソバの収穫時の収量損失を比較すると、普通ソバでは坪刈収量の6〜10%程度の損失が認められたが、ダッタンソバでは20%〜36%もの損失が発生していた。一方、収穫作業に用いたコンバインの型式の違いによる損失量の差異は認められなかった。 ダイズの栽培条件の検討:前年度の予備実験の過程で、石膏を施肥した土壌で栽培したダイズの莢が裂莢しにくい傾向が観察された。そこで本年度は、慣行栽培区、石灰施肥区、石膏施肥区の3処理条件下でダイズを栽培し各処理区で栽培したダイズの抗裂莢力を比較した。その結果、慣行栽培区と石灰処理区での抗裂莢力は4.26〜5.92Nであったのに対して石膏処理区では7.33〜7.48Nと有意に高い値を示した。このことは、ダイズ圃場への石膏の投入が裂莢による収量損失を低減しえる可能性を示す。 ダイズの生育に及ぼす街路灯の効果:光質を異にする照明下で栽培したダイズの生育をポット栽培ならびに圃場栽培によって比較したところ、生育に差が認められた。白色光、赤色光ならびに強度の緑色光照射条件ではダイズの花芽形成の遅延と茎の蔓化が観察されたが、40lx以下の緑色光照射条件ではこのようなダイズの生育以上は発生しなかった。
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