研究分担者 |
阿部 康二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20212540)
永野 功 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80335603)
松原 悦朗 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70219468)
池田 将樹 群馬大学, 大学院・医学研究系, 助手 (50222899)
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研究概要 |
平成15度の成果 各種の治療を行ったマウスの脳を病理学的に検索し,Aβ沈着量を免疫染色で検討し,定量的な画像処理を行った.脳からTBS可溶性分画Aβ40/42,SDS可溶性脳Aβ40/42と不溶性蟻酸抽出脳Aβ40/42を抽出分離,血液・脳脊髄液の各分画とともにAβ40とAβ42のそれぞれELISAで測定し,生化学的な蓄積量を検定した.また,経時的な増加を定量し,行動異常の改善を明らかにした.このうち,メラトニンにおいて脳Aβアミロイドの蓄積をELISAによる定量,Aβ免疫染色による画像処理定量,Morris水迷路行による行動学的検討の三者でいずれも有意な改善がみられた.メラトニンの脳アミロイド沈着予防効果を明らかにして発表した(Matsubara E, Shoji M,2003).抗Aβモノクローナル抗体による検討では,脳AβアミロイドのTBS分画Aβ42の選択的な低下と行動異常の改善をみとめた.また,抗体投与によって血液Aβ42の選択的増加が明らかとなり,投与した抗体による脳から末梢血へのAβ42の選択的クリアランスの促進に成功した.スタチン系の薬剤では効果がみられなかった. 新しく作成したtauP301Lトランスジェニックマウスにおいて多量の神経原線維変化と行動異常,神経細胞死の再現を確認した.さらに,このマウスと従来の脳にAβアミロイドを再現するトランスジェニックマウスTg2576を掛け合わせて,脳アミロイドと神経原線維変化の出現を病理学的に確認した.また,新しく作成したヒトtau特異的ELISAで大脳におけるtau蓄積量を定量した.このマウスにおいてAβによるtau蓄積促進は認められなかった.
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