研究分担者 |
後藤 源助 山形大学, 工学部, 教授 (80333988)
深瀬 政秋 弘前大学, 理工学部, 教授 (10125643)
小林 広明 東北大学, 情報シナジーセンター, 教授 (40205480)
萩原 将文 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80198655)
鈴木 健一 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 講師 (50300520)
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研究概要 |
マイクロプロセッサの高性能化に伴い,消費電力が増加し,チップ全体の発熱による温度上昇が著しい.そこで,低電力で稼働する超高速マイクロプロセッサが求められている.本研究は,低周波数で動作しメモリを含む構成要素を合理的に結合することにより低電力動作を実現するマイクロプロセッサのアーキテクチャの確立を目的として行なわれた. まずは,マイクロプロセッサの低電力超高速化とは如何なるものであるかの定義を行ない,今後のマイクロプロセッサの設計指針の一つを示した.この指針は,関係する国際会議において強い関心を持たれ,平成17年度においても招待講演を既に予約されている. その定義を基に,いくつかのアーキテクチャの提案と評価を行ない,その可能性を明らかにした.また,提案アーキテクチャの性能発揮のためには,細粒度から粗粒度までの広範囲のスレッドレベル並列性の抽出が重要であることを示し,それを実装する並列性抽出手法を考案した. 一方,マイクロプロセッサのハードウェアにおいて,処理の基本的な部分であるデータパスを低電力高速処理に向けて設計することは,極めて重要である.本研究では,ウェーブパイプライン手法をデータパスに適用することにより,高速処理と低電力化が両立できることを示した.また,マイクロプロセッサのデータパスとメモリの間のキャッシュメモリについても,両者の速度差を隠蔽する新しい方法を示した. プロセッサによる並列処理の対象として,情報圧縮技法の一つであるコードブック設計がある.これに対して,ハードウェアとソフトウェアの両面から低電力化を指向することで,低電力高速プロセッサを実装し,その効果を実証した.
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