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2002 年度 実績報告書

異常化タンパク質の検出、回収、および再生を指向したナノ界面設計

研究課題

研究課題/領域番号 14380412
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

藤本 啓二  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70229045)

キーワードβ構造 / 非特異的吸着 / ナノ粒子 / コンゴーレッド / αヘリックス / βシート / βラクトグロブリン / 免疫グロブリンG
研究概要

β構造を提示した粒子表面へのβシート状ポリペプチドやタンパク質の吸着性を調べることにより、β構造とタンパク質の相互作用について検討を行った。吸着性を評価するため、タンパク質の非特異的吸着を抑制する表面を持つスチレン・グリシジルメタクリレート共重合ナノ粒子(SG)を提示担体として選択した。タンパク質の二次構造モデルにはpoly-L-lysine(PLL)を選択し、βシート構造のPLL(βPLL)を表面に導入したナノ粒子(β-SG)を作製した。二次構造の比較としてαヘリックスのPLLを導入した粒子(α-SG)、また担体材料の比較としてポリスチレン粒子(PS)にβPLLを導入した粒子(β-PS)も同様に作製した。粒子表面に導入後のPLLの各構造をコンゴーレッドにより評価したところ、SG粒子表面に導入したPLLの各二次構造は保持されていたが、PS粒子上の構造は崩れてしまっていることがわかった。次に各粒子へのβPLLの吸着性を検討したところ、β-SGへの吸着率は最大で約50%を示した。一方、α-SGでは約20%、β-PSにはほとんど吸着しなかった。この結果は、添加したβPLLが粒子上のβPLLと強く相互作用することにより、粒子表面に集積したことを示すものである。これより、βシート提示表面へのポリペプチドの吸着においてβ構造間に特有の相互作用が働くことが示唆された。また、種々のタンパク質の吸着挙動を調べ、吸着平衡定数を親和性の指標として比較したところ、βラクトグロブリンと免疫グロブリンGのβ-SGへの吸着平衡定数が、α-SGやβ-PSのそれよりも2倍以上の値となった。さらにβラクトグロブリン分子内のチオール基をカルボキシメチル化することにより立休構造を変化させたところ、α-SGとβ-SGへの吸着平衡定数の差はほとんどなくなった。以上の結果は、タンパク質の吸着性にもβ構造が影響を与えており、それはタンパク質の立体構造と相関することがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Nakahama, K: "Thermosensitive 2-dimensional arrays of particles"Langmuir. Vol.18. 10095-10099 (2002)

  • [文献書誌] Sato, Y: "Detection of an K-ras point mutation employing peptide nucleic acid at the surface of a SPR biosensor"Colloids and Surfaces B: Biomterfaces. Vol.27. 23-31 (2003)

  • [文献書誌] Fujimoto, K: "Supramolecular Design for Biological Applications"Ed. by YUi, N., CRC Press. 409 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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