研究課題/領域番号 |
14402035
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
柳川 洋 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (30077169)
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研究分担者 |
大木 いずみ 自治医科大学, 医学部, 助手 (50296092)
中村 好一 自治医科大学, 医学部, 教授 (50217915)
三浦 宜彦 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (10143421)
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キーワード | Kawasaki disease / epidemiology / China / Yearly trend / province-wide survey / Incidence |
研究概要 |
日本の25倍の面積を持つ中国における川崎病の実態を明らかにするために、北京大学の協力を得て、中国東南部(広東省)、首都圏(北京特別市)、東北部(黒竜江省および遼寧省)および南西部(雲南省、四川省、重慶市)からなる川崎病疫学共同研究グループを結成した。 日本側は川崎病発見者(川崎富作氏)、小児科専門医、小児科循環器専門医、疫学専門かからなるチームを結成して現地におもむき、各大気の研究指導者及び主要病院の小児科医を対象に、川崎病の臨床所見、診断、治療に関する研修会を開催して、川崎病の概念の普及に努めることとした。本年度は雲南省昆明市、四川省成都市、重慶特別市を訪れ、上記の研修会を開催した。 各地域ともに日本と同じ方式で疫学調査を実施することとし、本年は北京大学公衆衛生部張拓紅副教授、昆明市児童医院馬越明院長、重慶医科大学附属児童医院易〓建副教授を招聘して、埼玉県立大学及び自治医科大学において、疫学調査の方法の実際についての協議を行った。 日本において継続的に実施してきた川崎病全国調査は、共通の診断基準「川崎病診断のてびき」に合致する患者を対象としており、過去30年間の疫学特性の相互比較生が非常に高い。同一の基準で長年にわたる全国規模の疫学調査が実施された例は、国際的にも本研究グループの調査が唯一のものである。統一した調査方式及び診断基準を用いた川崎病疫学の国際共同研究は、本研究が初めてであり、外国との相互比較が可能になる。特に中国においては、地域により気候条件と生活環境が大きく異なり、地域間の比較によって川崎病の発症要因の解明に向けて新しい知見の得られることが期待できる。 統一的な調査方式により、最近5年間(1996年〜2000年)発生した患者を対象に雲南省、四川省、重慶市の医療施設を対象に疫学調査を開始した。この研究の実施により、川崎病の発生要因としての生活環境の意義および予後要因を明らかにする。
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