研究課題/領域番号 |
14402035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
柳川 洋 埼玉県立大学, 学長 (30077169)
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研究分担者 |
三浦 宜彦 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (10143421)
中村 好一 自治医科大学, 医学部, 教授 (50217915)
大木 いずみ 自治医科大学, 医学部, 助手 (50296092)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 川崎病 / 疫学 / 日中比較研究 / 罹患率 / 地域差 / 年次推移 |
研究概要 |
日本の25倍の面積を持つ中国における川崎病の実態を明らかにするために、北京大学の協力を得て、平成14年度は雲南省、15年度は四川省、重慶市、16年度は上海市において川崎病の疫学調査を実施した。 日本側は川崎病発見者(川崎富作氏)、小児科専門医、小児科循環器専門医、疫学専門家からなるチームを結成して現地におもむき、各大気の研究指導者及び主要病院の小児科医を対象に、川崎病の臨床所見、診断、治療に関する研修会を開催した。さらに、現在入院中の川崎病患者の診察を行い、患者記録(症状、臨床検査所見、治療状況、経過)などの資料を用いて、中国側の医療スタッフと症例検討会を開催し、川崎病患者の診断と治療に関する意見交換を行った。この間調査研究の打ち合わせのために、北京大学、昆明市児童医院、重慶医科大学附属児童医院、復旦大学児童医院から協力者を招聘した。 各地域ともに日本と同じ方式で疫学調査を実施した。日本において継続的に実施してきた川崎病全国調査は、共通の診断基準「川崎病診断のてびき」に合致する患者を対象としている。長年にわたる全国規模の疫学調査が実施された例は、国際的にも本研究グループの調査が唯一のものである。統一した調査方式及び診断基準を用いた川崎病疫学の国際共同研究は、本研究が初めてであり、外国との相互比較が可能である。 主な所見としては、罹患率の地域差は大きく、経済発達の進んだ地域で高い傾向が見られた。罹患率は、年次とともに増加する傾向が見られ、とくに上海と北京では5年間に倍増した。罹患率の増加要因としては、真の増加の外に、小児科医の川崎病に対する認識の変化も関わっていると考えられた。 最終年度には北京市において、日中の研究協力者によるワークショップを開催し、川崎病の疫学、臨床に関する総括を行った。
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