研究課題/領域番号 |
14404006
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
土木環境システム
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
味埜 俊 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60166098)
|
研究分担者 |
矢木 修身 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40132865)
片山 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00302779)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
キーワード | 下水道システム / 汚泥管理 / 健康関連微生物 / 病原ウイルス / 下水再利用 / 健康リスク / ノロウイルス / 公衆便所 |
研究概要 |
汚泥管理システムの現状調査に引き続き、中国の下水道システムにおいてきわめて特徴的な処理水再利用システムおよび公衆便所システムの評価を目的とした調査をおこなった。前者では、中国の雨の少ない水需要を反映し、処理水再利用のための技術開発が進んでおり、膜技術を用いて非常に安価に再利用水を作ることができるが、水資源、水道・下水道にかかわる行政部局にまたがる総合的な水管理と水再利用に関わる法的な整備が遅れており、これらの整備の必要性が明らかになった。後者では北京市で地区再開発が進行している地区において現地でのケーススタディを実施し、北京における公衆便所の社会的位置づけを示した。 また、下水処理場における健康関連微生物の挙動調査を実施した。これまで中国では、下水処理場を健康関連微生物のコントロールポイントとしてとらえる視点が皆無であった。そこで、下水処理水再利用のシステムを構築する中で腸管系微生物やノロウイルスこれらの微生物の制御戦略を立案することを目指して、季節ごとの健康関連微生物の下水処理水中の挙動を追跡した。その結果、ノロウイルスの季節変動パターンが日本とは全く異なることが明らかになり、下水処理場での制御もさることながら、中国人の生活習慣に由来する直接経口感染の制御が重要である可能性が指摘された。 最後に、3年間の研究成果を総括することにより、汚泥管理・処理水再利用・健康関連微生物(とくにノロウイルスをはじめとする腸管系ウイルス)の制御・公衆便所の管理に関する現状の問題点をとりまとめ、今後の対応策を検討した。今後、下水道システムの構築において重視すべき点として、中国の特性を生かした汚泥管理システム(農業利用を中心)の開発、水資源と廃水管理の有機的統合、腸管系健康関連微生物の継続したモニタリングの3点を指摘した。
|