研究分担者 |
松本 耕二 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (60192754)
谷川 好男 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50109261)
伊藤 俊次 金沢大学, 工学部, 教授 (30055321)
竹内 照雄 新潟大学, 理学部, 助教授 (10018848)
吉原 久夫 新潟大学, 理学部, 教授 (60114807)
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研究概要 |
W.P.ThurstonのアイデアによるPisot数に対応する双対タイル張りは、高次の無理回転の自然拡大とマルコフ分割を数論的かつ具体的に導く重要な方法である。論文1では弱有限性条件とThurstonタイル張りが本質的に一重被覆となることのることの同値性を示した。この弱有限性条件は全てのPisot単数がもつ性質と予想される。一方、Pisot双対タイル張りの類似だが構成は対極にある標準数系でのタイル張りの研究も進んだ。論文2ではA.Petho, H.Brunotteとの共同で未解決の3次の標準数系の分類の研究を進めた。論文3ではH.Raoとの共同で標準数系の新しい特徴づけを得た。さらに、Pisot数系と標準数系に共通の一般化であるシフト基数系を導入することができたのは今年度の大きな成果である。この数系は初等的対象で記号力学系と密接に連関している。これに関してA.Pethoe, J.Thuswaldner, H.Brunotteらとの共同研究が発展している。数系の代数的な特徴づけの問題はシフト基数系の構造の研究に帰着される。また数系の特徴づけは代数体の冪整数基と関連しており、この観点で竹内との共同研究を進めている。 Pisot数と関連するSalem数のべき乗の少数部分は[0,1]で稠密であるが、論文5において谷川との共同でこの分布の詳しい性質を調べた。タイル張りのゼータ関数の良い定義を考え、解析的性質をしらべる方向で松本との共同研究が進んでいる。substitution力学系のなす複体は伊藤らにより定義されているが、そのホモロジカルな性質について吉原との共同研究を行っている。タイル張りの位相的構造の研究も発展しており、論文4ではJ.Luo, J.Thuswaldnerとの共同でタイルの境界の連結性を調べた。論文6は既知の位相的な結果をまとめたものである。
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