研究課題/領域番号 |
14540023
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松澤 淳一 京都大学, 工学研究科, 講師 (00212217)
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研究分担者 |
石井 亮 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10252420)
成木 勇夫 立命館大学, 理工学部, 教授 (90027376)
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キーワード | 3次曲面族 / モジュライ / コンパクト化 / ルート系 / ワイル群 / 配置空間 |
研究概要 |
射影空間の3次曲面の族、あるいは射影平面の7点の配置空間のワイル群対称なコンパクト化Xは、代数トーラスと双有理同値な多様体の商空間のコンパクト化として、群論的に構成できることが前年度までの研究でわかっている。その過程において、代数トーラスの商を取ることが、コンパクト化を構成する際の困難となっていた。そこで本年度は、商をとる前の多様体の滑らかなコンパクト化Yを、Xと同様にルート形を用いて構成し、Yの構造とXの構造を比較研究した。 Yはその定義により、3次曲面の2次分岐被覆曲面の族のコンパクト化としてとらえられるので、この多様体自体も興味ある対象である。XがA_3型ルート系から定まる複比関数を用いて構成されるのに対して、Yは、より簡単なA_2型ルート系から定まる複比関数を用いて構成されるので、Xに比べて、比較的容易にYの幾何学的構造を記述することができる。この事を利用して、まずYの構造を決定し、その結果を用いて、Xの幾何学的構造をより詳しく研究した。 また、上記の研究と平行して、これまでとは別の視点からの3次曲面の記述を、A_2型,A_3型ルート系を用いて行い、Xの局所座標の具体的な表示を得た。この結果は、平成14年度に得たF_4型ワイル群半不変と、3次曲面とのより深い幾何学的関係を示唆する事柄を含んでおり、この4年間の研究全体を統合するアイデアの鍵となるであろうことが期待されている。
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