研究分担者 |
水谷 忠良 埼玉大学, 理学部, 教授 (20080492)
阪本 邦夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (70089829)
福井 敏純 埼玉大学, 理学部, 教授 (90218892)
酒井 文雄 埼玉大学, 理学部, 教授 (40036596)
下川 航也 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60312633)
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研究概要 |
以前の研究より,Spin^q多様体は標準的なCP^1-ファイブレーションを持ち,トウィスター空間と呼ぶそれの全空間(Z,g^Z=π^*g^M+g^<CP^1>)には標準的にSpin構造が付随することが分かっている。その構造の与えるディラック作用素【∂!/】について: (1)無限小カイラルアノマリーの数学的定義と考察すべき対象:(Xをある種の随伴束の切断として)X-方向への無限小変分δ_X【∂!/】とそれのアノマリーlog detδ_X【∂!/】≡-∂/(∂s)|_<s=0>1/(2Γ(s))∫^∞_0t^sSTr(δ_X【∂!/】【∂!/】e^<t【∂!/】>^2)dtを数学者的観点から導入した。物理学的トウィスター理論や宇宙の生成理論のアナロジーで,各ファイバーを一点に潰す操作(宇宙生成以前に戻る),つまり断熱極限操作によって,そのアノマリーの本質的部分lim_<ε→0>log detδ_X【∂!/】_εが生み出されると考える。この極限の研究を目標とした。 (2)Getzler変換の精密な研究:上記極限の研究には所謂Getzler変換の考え方が有効である。当研究者はその変換をある種の2種類の変換の合成と考えることが非常に有効であることを示した。それらを精密に調べることによって(1)で述べた研究が非常に進んだ。 (3)調和接続とGilkey理論:Levi-Civita接続より少々単純な接続(調和接続と呼ばれる)を導入し,対応してそれに付随する測地線,標準座標に着目した。我々の研究は結局,その接続の曲率係数たちの作る普遍多項式の研究(ある種のGilkey理論の研究)に帰着されることが分かる。但し,現在,この研究は完結していない。ある典型的なSpin^q多様体上での議論そしてその場合の普遍多項式を具体的に書き下すことが必要であろう。
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