研究分担者 |
金信 泰造 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00152819)
鎌田 聖一 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60254380)
今吉 洋一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30091656)
橋本 義武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20271182)
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研究概要 |
3次元有向連結閉多様体全体から素な絡み目全体の中への自然な1対1対応理論を完成させた.この理論では,素な絡み目全体から格子点のデルタ集合の中への自然な1対1対応と3次元有向連結閉多様体全体から格子点のデルタ集合の中への自然な1対1対応をも構成している.長さが7以下の素な絡み目全体から格子点のデルタ集合の中への対応および長さが7以下の3次元有向連結閉多様体全体から整数格子点のデルタ集合の中への対応はこの論文の中で完全に分類した.従って,問題は長さが7より大きい素な絡み目全体から整数格子点集合への対応分類に移るが,田山育男博士と共同で,長さ8,9,10の素な絡み目全体から整数格子点集合への対応分類も完成させた.また整数格子点のデルタ集合は,正の有理数の中に,埋め込まれた値から整数格子点が一意的に再構成できるように,埋め込める.従って,素な絡み目全体,および3次元有向連結閉多様体全体は,正の有理数の中に,埋め込まれた値から素な絡み目全体および3次元有向連結閉多様体全体がそれぞれ一意的に再構成できるように,埋め込めることを示した.M.Reniは,2重分岐被覆空間が同相な双曲的多様体になるような結び目は高々9個しかないことを示していた.このとき,M.Mecchia-B.Zimmermannは,1990年頃に研究代表者が開発した位相的イミテーション理論を用いて,ホモロジー3球面内の結び目ならば丁度9個存在することを示し,3次元球面においても丁度9個存在するだろうことを予想した.この研究において研究代表者は,1997年の論文において開発した位相的イミテーション理論の強力版である強的概同型イミテーション理論を用いることにより,この予想を肯定的に解決した.また,曲面結び目の3重点解消数の評価および曲面結び目の3重点数と3重点解消数の差異が幾らでも大きくなる例が存在することも示した.
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