研究概要 |
研究の目的は,1),流体問題の解決スキームの開発,2)弾性問題の最適形状問題のスキーム開発,3)逆問題,4)領域分割法である.2)に対し分担者畔上が板シェルの形状最適形状スキームを与えた.3)に対して分担者大西が共役法を用い結果を出した.4)としては分担者畔上が最適形状問題に用いて成果を出した.又分担研究者曽我により弾性問題の弾性波の構成とその応用についての基礎的成果が得られた.最後に1)に対しては研究代表者海津が十分な成果が得られ,現在は論文推敲中である.1)の現状を以下に述べる. 1)は非一様な密度を持つ非定常・非圧縮粘性流体に対する,数学的に保証されたスキーム開発とその研究である.よく知られているように,一様な密度をもつ非圧縮粘性流体の,数学的な保証のあるスキームは既に1970年代にあり,現在に至るも数学的保証のある粘性流体のスキームの研究と言えば一様な密度に限られている. 1)に対する研究は上述の現状を変えるものである.平成14年度に,新たな共同研究者として九州大学理学部の田端正久教授を得て最初の成果が得られ,平成14年8月筑波大学の国際会館で開催の日中数値数学会議で発表された.ここで既に得られた速度と密度の誤差のオーダ以外に圧力項の誤差オーダも合わせ得られ,現在その成果は論文とし,投稿の推敲段階に至っている.本研究の分担者である茨城大学の藤間昌一により2次元混合流れの数値計算も行われ,密度成層の重力が及ぼす不安定性を数値的に示された. 最後に1)に対する今年度の予定を述べる.1)非一様な密度を持つ非定常・非圧縮粘性流体に対するより高次の精度の有限要素スキーム開発とその数値実験,2)ブシベスク近似でない熱流体のスキーム開発とその研究である.
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