研究概要 |
(X,||・||_x)を確率空間(Ω,Σ,Ρ)上のBanach関数空間とする。Ω上のマルチンゲールf=(f_n)に対して、その条件付変分θf=(θf_n)をθf_n=SUP_<0【less than or equal】n【less than or equal】m<∞>E[|f_m-f_<n-1>||F_n]のように定義する。Xにおける次のノルム不等式(i)〜(iii)が成立することが互いに同値であることを発見し、更に、これらの不等式が成り立つための必要十分条件は、次の(iv)であることがわかった(つまり、下記の(i)〜(iv)は互いに同値である)。 (i)ある正の定数c,Cが存在して、すべてのマルチンゲールf=(f_n)に対して次の不等式が成立する c<lim>^^^-___<n→∞>‖f_n‖_x【less than or equal】‖θf‖_x【less than or equal】C<lim>___<-__<n→∞>>‖f_n‖_x (ii)ある正の数c,Cが存在して、すべてのマルチンゲールf=(f_n)に対して次の不等式が成立する c<lim>___-___<n→∞>‖f_n‖_x【less than or equal】‖θf‖_x【less than or equal】C<lim>^^^-___<n→∞>‖f_n‖_x (iii)ある正の数c,Cが存在して、すべての一様可積分なマルチンゲールf=(f_n)に対して次の不等式が成立する c||f_∞||_x【less than or equal】||θf||_x【less than or equal】C||f_∞||_x (iv)(X,||・||_x)は再配分不変性をもち、そのBoyd indexは、不等式0<α_x【less than or equal】β_x<1を満足する。 ここに記した研究結果は、論文にまとめ現在投稿準備中である。上記の条件(iv)は、Burkholder型不等式が、Banach関数空間Xにおいて成立するための条件と同じであることから、今後の課題としてθfとSfの間に成立するノルム不等式を研究する予定である。 上記の結果に加え、現在荷重Orlicz空間において、(ノルム)有界な任意のマルチンゲールがノルム収束するための必要十分条件を研究中であり、部分的な結論を得ている。今後、更に詳細に研究したい。
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