研究概要 |
本研究の目的はフーリェ制限ノルムをベゾーフ型ノルムに一般化し、それを非線型方程式等に応用することである。この目的に沿って研究を進め、平成15年度に以下の成果を得た。 1.非線型シュレーディンガー方程式について 平成14年度に非線型項が未知関数の2次の同次式の場合について、任意の空間次元に対して最良のソボレフ空間をとって初期値問題の適切性を証明したが、これに引き続き、非線型項が3次の同次式で空間次元が1の場合について研究した。すなわち (1)非線型項が未知関数の3乗と未知関数の複素共役の3乗の線型結合の場合、次数-5/12で指数が(2,3)のベゾーフ空間を初期値の空間として初期値問題は適切である。 (2)非線型項が未知関数と未知関数の複素共役の2乗の積の場合、次数-2/5で指数が(2,3)のベゾーフ空間を初期値の空間として初期値問題は適切である。 (3)非線型項が未知関数の2乗と未知関数の複素度共役との積の場合、次数0で指数が(2,3)のベゾーフ空間を初期値の空間として初期値問題は適切である。 次数sで指数(2,3)のベゾーフ空間は次数sのソボレフ空間を含んでいて、上の結果は既存の結果の改良になっている。キーは3重線型評価である。 また、非線型項が未知関数の複素共役の2乗の導関数で空間次元が1の場合は2乗可積分関数の空間で初期値問題が適切であることを証明した。 2.KdV方程式について 次数-3/4にlogだけ狭いフソボレ空間において初期値問題が適切であることを証明した。
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