研究課題/領域番号 |
14540188
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
山崎 多恵子 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (60220315)
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研究分担者 |
立川 篤 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50188257)
岡 正俊 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70120178)
小林 嶺道 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70120186)
牛島 健夫 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (30339113)
小林 隆夫 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90178319)
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キーワード | Kirchhoff方程式 / 大域的可解性 / 線形波動方程式 / 減衰評価 / 双曲型偏微分方程式 |
研究概要 |
空間次元が4次元以上の時に、外部領域におけるKirchhoff型方程式の初期値境界値問題が大域解を持つための初期値に対する十分条件について考察した。 まず、空間次元が4次元以上の時の線形波動方程式の外部領域における初期値境界値問題に対する解の時間に関するLp-Lq減衰評価を示した。柴田良弘氏・堤誉志雄氏、中尾愼宏氏により解のLp-Lq減衰評価が得られているが、初期値をある階数まで微分したもののLqノルムのみならずL2ノルムも用いて解のLpノルムを評価している。本研究では、Lqノルムだけで評価し、彼らの結果を改良した。 次に、全空間および外部領域におけるKirchhoff型方程式の初期値境界値問題を考察した。全空間の場合は、大域解の一意存在がGreenberg・Hu、D'Ancona・Spagnoloにより得られている。彼らは、ある重み付きヒルベルト空間に属する初期値がそこでのノルムが十分小さいときに大域解の一意存在を示した。その後、外部領域の場合に、RackeそしてHeimingが、初期値の一般化されたフーリエ変換像がしかるべき重み付きソボレフ空間に入り、台が原点から離れていて、その重み付きソボレフノルムが小さい時に、大域解の一意存在を示した。彼らの与えた初期値に対する仮定は一般化されたフーリエ変換像に対する条件で表されているが、その条件を満たすための初期値に対する十分条件として彼らが与えているものは、実解析的であるということである。本研究では、先に示した線形波動方程式の外部領域における初期値境界値問題に対する解の時間に関するLp-Lq減衰評価を用いることにより、空間4次元以上の全空間および外部領域におけるKirchhoff型偏微分方程式の大域的一意可解性が、重みなしのソボレフ空間に属しそこでのノルムが小さい初期値に対し成り立つことを示した。
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