研究概要 |
(1)インターネットを利用したライフサイクル最大化方式の確立 前年度の研究成果を拡張して,遠隔地で保管されている使用済み部品のデータを利用して,ライフサイクル最大化の観点から,使用済み部品の最小修正加工情報と部品の最適組立情報を決定できる部品のライフサイクル最大化方式を提案した. (2)高度自動化検査システムの適用評価 システム(前年度研究成果)の機構系にオートフォーカス装置を組み込んで,関連する制御系と計測系を再構成し,機構系,制御系,計測系を改良してシステム性能を評価した.結果として,使用済み機械部品の凹凸のある表面品質について,合焦点画像を取得・結合して,評価可能な広範囲の検査データの構成を実機により示した. 次に,多種類の使用済み部品の再使用最大化を目的として,再構成可能型搬送システムを検討した.同一仕様の搬送ユニットをロボットハンドによって自動再配置し,各種の使用済み部品に応じて搬送経路変更が迅速かつ柔軟に実現可能な方式として,固有の搬送特性を有する搬送プレートを圧電アクチュエータで加振する搬送ユニットを考案した.搬送プレートの構成として,平板型と光造形ピン配列型の二種類を試作し,実験によって搬送特性を評価した.実験結果から,光造形ピン配列型が有効であることを明らかにした. さらに,再構成可能型生産設備でシステム構成する効果を,3次元グラフィックスシミュレータ(前年度研究成果)で評価した.特に,生産設備を生産要求の変更に伴って配置変更する方式について,(1)現生産に関わる全ての生産設備が生産完了した時点で配置変更を開始する方式と,(2)現生産が終了した生産設備から順に配置変更を開始する方式における配置変更時間(非生産時間)を比較した.評価事例のシミュレーション結果から,(2)は(1)よりも非生産時間を20%程度短縮でき,迅速な生産環境を構築する上で有効であることが確かめられた.
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