研究課題/領域番号 |
14570517
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
加藤 公敏 日本大学, 医学部, 講師 (90204461)
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研究分担者 |
石井 敬基 日本大学, 医学部, 講師 (20246870)
根本 則道 日本大学, 医学部, 教授 (80096875)
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キーワード | アミノ酸トランスポーター / LAT1 / COX / ストレス潰瘍 / カルチノイド / 遺伝子発現解析 |
研究概要 |
人消化管原発カルチノイド(胃、小腸、結腸、直腸)およびそれらの転移巣(肝、リンパ節など)において、COX-1、COX-2の免疫組織化学的な発現を検討した。COX-2は、消化管カルチノイドおよびその転移巣において発現がみられた。COX-2は腫瘍細胞の細胞質にdiffuseに染色され、間質浸潤部の腫瘍細胞にも発現がみられる傾向にあった。一方、COX-1は一部のカルチノイドにおいて軽度の発現を認めるのみであった。また、アミノ酸トランスポーターLAT1の発現を検討中であるが、腫瘍部において、中等度以上の発現がみとめられた。すでに、人大腸癌やラット大腸癌肝転移モデルでのLAT1の発現も確認しているが、人カルチノイドにおいても、COX-2やLAT1が腫瘍の発育や増殖に対し何らかの重要な役割を果たしている可能性が示唆された。 胃潰瘍の病態における遺伝子発現の包括的解析を、Affymetrix社製Gene chipを用いて行った。Rat Toxicology U34アレイを用いて、ラットでの水浸拘束ストレス負荷30分、1および2時間後の胃粘膜の遺伝子発現の変化を検討した。約850の毒性関連遺伝子のオリゴヌクレオチドプローブを用いた解析では、ストレス負荷30分で、対照群に比較して、約7%の遺伝子に発現の亢進が認められた。ストレス負荷1時間、2時間と、発現亢進がみられる遺伝子数はすみやかに減少した。ストレス負荷短時間において、熱ショックタンパク質遺伝子のみならず、c-fosなどのprotooncogeneの遺伝子に発現の亢進が認められ、薬物代謝酵素や細胞周期に関連した遺伝子群での発現の一過性の誘導も認められた。現在、RT-PCRも加えて、これらの発現遺伝子のうちの一部についてさらに検討を加えている。
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