研究課題/領域番号 |
14570528
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
原田 大 久留米大学, 医学部, 助手 (00241175)
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研究分担者 |
中村 徹 久留米大学, 医学部, 助手 (30341332)
古賀 浩徳 久留米大学, 医学部, 助手 (90268855)
鳥村 拓司 久留米大学, 医学部, 講師 (60197986)
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キーワード | ウイルソン病 / 中間径フィラメント / ユビキチン / プロテアソーム / マロリー体 |
研究概要 |
我々はウイルソン病蛋白の変異蛋白のひとつであるATP7B-H1069Qを培養細胞に発現させプロテアソームでの蛋白質分解を阻害すると中間径フィラメントから構成される核周囲の凝集体が形成されることを報告した(Gastroenterology 2001;120:967-973)。このような構造物はaggresomeとして近年様々な蛋白を核として形成されることが報告されている。その共通点は凝集体に中間径フィラメントとユビキチンが関与することでありこの現象は肝疾患におけるMallory体に類似している。今回の我々の検討では培養細胞に3種のプロテアソーム阻害剤を投与すると中間径フィラメントからなるユビキチンの関与した凝集体が形成された。この時細胞内の小器官を蛍光顕微鏡ならびに電子顕微鏡で観察すると凝集体を形成した細胞ではゴルジ装置のfragmentationがおこっていた。プロテアソーム阻害剤を除去すると凝集体は可逆性に消失し、それらの細胞ではゴルジ装置の形態も回復していた。また電子顕微鏡では中間径フィラメントに囲まれた凝集体と共にautophagicvacuoleが観察され凝集体の消失にはautophagyを介したライソゾームでの分解が関連していると考えられた。また凝集体の存在する細胞ではゴルジ装置の機能に障害がおよび蛋白や脂質の細胞内輸送に変化がおよんでいる可能性が示唆された。
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