研究課題/領域番号 |
14570528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
原田 大 久留米大学, 医学部, 講師 (00241175)
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研究分担者 |
鳥村 拓司 久留米大学, 医学部, 助教授 (60197986)
古賀 浩徳 久留米大学, 医学部, 講師 (90268855)
中村 徹 久留米大学, 医学部, 助手 (30341332)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ウイルソン病 / 銅 / ATP7B / Mallory体 / 細胞内凝集体 / 中間系線維 / マロリー体 / aggresome / プロテアソームゴルジ装置 / 中間径フィラメント / ユビキチン / プロテアソーム |
研究概要 |
ウイルソン病は先天性銅蓄積症でウイルソン病蛋白ATP7Bの機能不全により引き起こされる。ATP7Bは肝細胞後期エンドゾームに存在し細胞質の銅をその内腔へ取り込みライソゾームを介し胆汁中へ排泄することを我々は報告してきたが、いまだ世界の研究者に完全には受け入れられていなかった。今回の一連の検討で様々な細胞を用い、様々な後期エンドゾーム局在蛋白発現ベクターを用いて後期エンドゾームでのATP7Bの局在を証明し(Int J Mol Med 11;293-298:2003,Am J Pathol 166;499-510:2005)、ウイルソン病の病態ならびに生体の銅代謝機構の解明に貢献した。 我々はウイルソン病変異蛋白(ATP7B H1069Q)を発現した培養細胞のプロテアソームの機能を抑制すると細胞内凝集体が形成されることを報告した。今回の検討では培養細胞へプロテアソーム阻害剤(ALLN)を作用させるだけで細胞に中間経線維を含む細胞内凝集体が形成され、中間経線維のnetworkが消失した。TEMではこの構造は膜を有さず、線維成分に囲まれ、電子密度の高い沈着物を含む構造物として観察された。また細胞に変異サイトケラチンを遺伝子導入すると同様の凝集体が形成された。これらの細胞ではゴルジ装置の形態に変化が及んでおり、これらの凝集体はゴルジの機能異常を引き起こす可能性が示唆された(Exp Cell Res 288;60-69:2003,Cell Motil Cytoskel 57;37-52:2004)。 またプロテアソーム阻害による凝集体はプロテアソーム機能の回復によりは可逆性に消失し、電子顕微鏡による観察でその除去にはautophagyを介した処理機構が関与していると考えられた。 変異サイトケラチンにより凝集体が形成されると細胞質に存在する多くの蛋白質が凝集体に集まる現象がみられ凝集体の形成は細胞質蛋白の機能にも影響を与える可能性が示唆された(Exp Cell Res in press)。
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