研究概要 |
平成14年度は,従来われわれが使用してきた非増殖性アデノウイルスベクター(COS-TPC法により作製)の増殖と精製を行った. (1)高力価ウイルス液の作製,精製と力価測定.in vitro検定. インサートに組み込んだコスミドベクターと親ウイルスDNA-TPCを293細胞(ヒト胎児腎細胞株)にリン酸カルシウム法でco-transfectし,得られたウイルス液をさらに293細胞で3回継代し,8.75x10^8plaque forming unit(PFU)/mlの高力価ウイルス液を得た.そしてマウス,ヒト筋芽細胞を用い,BMP-2アデノウイルスベクターを感染させ,BMP MOI-20でALP-activityが1.3+/-0.4IU/mg proteinにまで上昇することを確認した.一方,コントロールのLacZ MOI20ではALP-activityの上昇はおこらなかった. (2)in vivo検定 BMP-2アデノウイルスベクターについては,免疫抑制下にラット下腿筋肉内に注入して骨誘導を確認した.その結果,X線学的および組織学的検査で異所性骨誘導が認められた. このウイルス液(8.75x10^8plaque forming unit(PFU)/ml)を用いて,平成15年度は,実験的骨延長術に用いる予定である.
|