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2003 年度 実績報告書

ラット生体内における微量元素動態の非侵襲的測定法の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 14572099
研究機関昭和薬科大学

研究代表者

遠藤 和豊  昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (50106598)

研究分担者 榎本 秀一  理化学研究所, 加速器基盤研究部, 研究員 (10271553)
キーワード酸化的ストレスの指標 / ミネラルバランス / 肝細胞と微量元素 / 生体内微量元素の非侵襲測定 / 多元素同時分析 / マルチトレーサー / in vivoトレーサー法
研究概要

生きたラットの体内における微量元素の動態をin vivoマルチトレーサー法により外から非侵襲的に評価する方法を確立した。今年度は、とくに非侵襲マルチトレーサーの定量的な評価を検討した。腹部においては、V,Mn,Co,Zn,Se,Rb,Yは金属元素をおもに蓄積し、無毒化する肝臓に多く分布している。Co,V,Yは腹部では相対的に低い分布を示し、80分間の測定時間中に減少をしているので、排泄が速いことを明らかにした。
非侵襲測定は生きたラットの肝臓部における微量元素の投与後、数10分における元素動態の情報を得るのに適している。しかし、加速器により調整されるマルチトレーサーはわずかな照射条件の違いにより、実験ごとに核種の相対的な生成量が異なる.また、ラットは週齢や本研究で用いた酸化ストレスモデルなどでは、体重や臓器の大きさが異なる。さらに、ラットの外側からγ線を測定して、ある測定部位での元素分布を評価するには内部標準の必要が認められた。
^<74>Asはおもに赤血球に分布することから、血液中におけるほかの元素に対する内部標準となり得る。^<83>RbはKと同じアルカリ金属で体内では細胞質にあり、核種の臓器にほぼ等しく分布するので組織内での他の元素の標準となり得る。^<74>As/^<83>Rb比は血液/組織比の指標となり、この比の減少は、虚血の指標となる。^<74>Asと^<83>Rbは核種の中で長時間に渡り、濃度が一定あるため、測定部位におけるほかの元素の組織あるいは血液中の標準として扱い得ることを示した。また、^<103>Ruは血漿と細胞間隙に存在し、細胞の中には入らないので、^<103>Ru/^<83>Rbも血液/組織比の指標となる。さらにこれらの核種の放射能に対して他の核種の放射能強度比として評価することにより、新しい微量元素の動態の指標となることを示すことができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Matsumoto, K, et al.: "Relation of bile hydrogen peroxide level and liver super oxidedismutase activity in selenium-deficient rats"Yakugaku Zasshi. 122(6). 407-411 (2002)

  • [文献書誌] Matsumoto, K, et al.: "Evaluation of oxidative damage in the liver of selenium-deficient rats"Redox Report. 7(5). 351-354 (2002)

  • [文献書誌] Matsumoto, K, et al.: "In vivo assessment of dynamics of various elements in living rat by using a multitracer"Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry. 255(1). 143-147 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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