研究課題/領域番号 |
14572270
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
加藤 真由美 金沢大学, 医学部, 助手 (20293350)
|
研究分担者 |
浅川 康吉 群馬大学, 医学部, 助手 (60231875)
平松 知子 金沢大学, 医学部, 講師 (70228815)
泉 キヨ子 金沢大学, 医学部, 教授 (20115207)
正源寺 美穂 金沢大学, 医学部, 助手 (80345636)
|
キーワード | 転倒予防 / 療養型病床群 / 高齢者 / EBN / 運動プログラム |
研究概要 |
【目的】 本研究は、脆弱な療養型病床群の高齢者を対象にEBN(Evidence-Based Nursing)に基づいた、病棟生活に取り入れられ看護介入可能な転倒予防を目的とするための運動プログラムを作成するための研究である。本年度は、先行研究や専門家の意見を取り入れて試作した運動プログラムを実施し、評価した。 【方法】 対象:療養型病床群(医療型)で同意の得られた65歳以上の高齢者30名(男性6名(82.2±6.7歳)女性24名(85.3±6.1歳))であり、うち介入群(運動参加群)16名、対照群14名である。 介入方法:試作した運動プログラムを14週間実施し、その効果を検証する。すなわち、運動プログラムとは(1)Warm Up、(2)Static Stretching Exercise、(3)筋力・筋持久力運動、(4)固有受容性神経筋促通法、(5)足指トレーニング、(6)整理体操であり、評価は機能自立度、下肢筋力、Timed-Up and Go Test、Functional Reach Test、転倒恐怖感、転倒に対する自己効力感などについて運動開始前・終了後・終了3ヶ月後に追跡調査することである。 【結果】 作成した運動プログラムの所要時間は10分程度であり、病棟のレクリエーション時間に実施できた。介入群の平均運動参加日数は35.4±15.6日であり、運動による医学的損傷は起こらなかった。運動負荷はインタビューにより確認したが、ボルグスケール(自覚的運動強度)において9-15点であった。運動プログラムの評価では、機能自立度は介入群に変化はなかったが、対照群は運動開始前と終了3ヶ月後(22.9±4.8 vs. 21.6±4.9、p<0.001)および運動終了後と終了3ヶ月後(22.5±4.7 vs. 21.6±4.9)p<0.05)に有意に低下していた。下肢筋力、Timed-Up and Go Test、Functional Reach Testはどの群にも差はなかった。転倒恐怖感は、介入群は運動終了後3ヶ月には5名(55.6%)が恐怖感を低下させていたが、対照群はほぼ変化はなかった。転倒についての自己効力感にはどの群にも差はなかった。 【考察】 作成した運動プログラムは運動機能の維持および転倒恐怖感の軽減に寄与できたと考えられた。しかし、対象数が少ないため、対象数を増やし、かつ運動プログラムを改良しさらに検討するが必要である。
|