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2003 年度 実績報告書

公共圏の中の科学技術に関する科学論的・政治哲学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580007
研究機関南山大学

研究代表者

小林 傅司  南山大学, 人文学部, 教授 (70195791)

研究分担者 山脇 直司  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30158323)
藤垣 裕子  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50222261)
木原 英逸  国士舘大学, 政経学部, 教授 (60204955)
横山 輝雄  南山大学, 人文学部, 教授 (80148303)
平川 秀幸  京都女子大学, 現代社会学部, 講師 (50329934)
キーワード科学技術のガバナンス / コンセンサス会議 / ジャーナル共同体 / 知識の妥当性水準 / 討議型デモクラシー / 公共圏
研究概要

本年度は、以下の問題群について検討した。
基礎視角「社会における科学技術のガバナンスを、科学技術者だけではなくより広い範囲のステークホルダーを含めて考察すること。」を手がかりに、コンセンサス会議の可能性と課題に着目し、科学技術が関連する社会的意思決定に「市民」が参加する場合、専門家の役割とは何か、をめぐって検討を行った。そして、日本で行われたコンセンサス会議の詳細な記録とその理論的意義についての書物が成果として出版された。
また、この検討の過程において、近年、日本で盛んに議論されている、科学技術の倫理および工学の倫理、研究の自由は産学連携のなかでどうとらえなおされるかといった問題群の重要性が浮かび上がり、これらの分野の研究者との協力関係の構築に取り組み始めた。
基礎視角「社会における科学技術のあり方を、研究者集団内部の、及びその外部とのコミュニケーション構造として把握し、政治学的概念である、公共圏、ガバナンスの科学技術への適用の可能性を検討すること」を手がかりに、「アカデミックジャーナル共同体における知織の妥当性水準と公共圏におけるそれとの関係は何か」をめぐって理論的検討を行い、その成果もまた書物という形で公刊された。
この検討を通じて、民主主義という思想と現代の科学技術の存立様式の関係をめぐって検討することの重要性が浮かび上がり、いわゆる「討議型デモクラシー」の意味と射程に着目した研究を開始することになった。特に、科学技術をめぐる紛争処理の一形態としての司法手続きが科学技術的争点をどのように扱っているかを示す、生きた事例としての「もんじゅ裁判」の分析も同時に行うことにし、着手している。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 小林傅司: "なぜ科学技術の規制が必要か-制度論的考察"哲学. 54. 18-37 (2003)

  • [文献書誌] 山脇直司: "経済を支える倫理"人間会議. 2003年冬号. 18-21 (2003)

  • [文献書誌] H.Kihara: "The Extension of Peer Review, How should it or should not be done?"SOCIAL EPISTEMOLOGY. Vol.17, No.1. 65-73 (2003)

  • [文献書誌] 木原英逸: "科学史入門:<科学技術の民主的コントロール>をめぐるいくつかの誤解について"科学史研究. 43巻、No.229(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] FUJIGAKI, Y: "Expertise and Democracy : Communication Difficulties between Public and Experts in Required Criteria"Proceedings of the International Conference on "Science and Democracy Network", Boston. (査読つきプロシーディング). (2003)

  • [文献書誌] 平川秀幸: "遺伝子組換え作物規制における欧州の事前警戒原則の経験-不確実牲をめぐる科学と政治"環境ホルモン-文明・社会・生命. Vol.3. 103-119 (2003)

  • [文献書誌] 平川秀幸: "リスク、不確実性、悲劇性-科学主義的リスク言説が置き去るもの"現代思想. Vol.31, No.9. 156-164 (2003)

  • [文献書誌] 藤垣裕子: "専門治と公共性"東京大学出版会. 238 (2003)

  • [文献書誌] 佐々木毅, 山脇直司, 村町雄二郎編: "東アジアにおける公共知の創出"東京大学出版会. 252 (2003)

  • [文献書誌] 小林傳司: "誰が科学技術について考えるのか"名古屋大学出版会. 406 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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