研究課題/領域番号 |
14580103
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
前門 晃 琉球大学, 法文学部, 教授 (60190287)
|
研究分担者 |
松倉 公憲 筑波大学, 地球科学系, 教授 (80107341)
廣瀬 孝 琉球大学, 法文学部, 助教授 (40305181)
|
キーワード | 石灰岩 / 崖 / 崩落後退 / 岩石物性 / クラック / 安定解析 / ノッチ / 寸法効果 |
研究概要 |
本研究は石灰岩が広く分布する琉球列島の島々で、石灰岩が急斜面(崖)をつくる場所、石灰岩台地の縁、石灰岩の海岸をとりあげて、石灰岩の崖・石灰岩の基部にあるノッチの深さ・崖の前面にある崩落ブロックの大きさ・石灰岩の崖の陸側にみられるテンションクラックの測量および空中写真判読を行うことによって石灰岩の崖の崩落後退による地形変化を定量的に明らかにし、地形変化をもたらす石灰岩の崖の崩落後退を板状崩落のモデルを用いて力学的に解明しようというのが目的である。 本年度の研究では、第四紀琉球石灰岩が広く分布し、海崖をなす宮古島東平安名岬において海崖の測量、弾性波によるクラックの測量、シュミットハンマーを用いて岩盤強度の測定、琉球石灰岩の圧縮強度測定を行い、板状崩落のモデルを用いた力学的な解明に必要な海崖の地形、岩石物性のデータを集めた。その結果を沖縄島中南部の琉球石灰岩の海崖と比較した。宮古島の琉球石灰岩は沖縄島中南部の琉球石灰岩よりシュミットハンマー反発値は大きいが、試料の大きさが大きくなるほど強度、弾性波速度とも低下している。このことから、宮古島の琉球石灰岩も沖縄島中南部の琉球石灰岩と同様に岩盤が大きくなるほど岩盤の強度がクラックの影響を受けて低下していることが理解される。岩盤強度への供試体の寸法効果が認められたので、海崖の崩落後退を説明する岩盤の引張強度は、5mの大きさの供試体の引張強度を用いてうまく説明できそうである。
|