14年度、15年度に引き続き、多重債務者の生活再建支援のあり方に関する研究を行った。また、最終年度としての研究の総括を行い、報告書の執筆を行った。 16年8月に国際家政学会が京都で開催されたので、これまでの研究成果を多重債務者問題の日米韓の比較研究として、昭和女子大学大学院宮坂順子氏、東京学芸大学大学院李賢眞氏と共同で、ポスターセッションにて発表した。また、同学会に講演者として来日したアイオワ州立大学のヒラ教授を研究会へ招き、最新の米国の破産事情についての講演会を開催し、また情報の交換を行った。 14年度の夏に発足させた多重債務者問題研究会を継続し、家計破綻原因としての生活費不足を補うための生活資金貸付制度の検証、相談体制の整備の方途、多重債務者の生活支援全般を目的とした生活支援アドバイザー制度導入の可能性、ならびに予防的対策としての金融教育・金銭管理教育の徹底などにつき検討し、研究会意見書としてまとめあげて、16年12月に金融庁等へ提出した。 さらに、一般へ公表して意見を求めていくために、17年1月には、横浜市において、市民フォーラムを開催した。 また、昨年度の訪米調査の際に入手した関連資料を精査し、資料性の高いものを翻訳した。 以上の結果を科研費報告書として編集、整理した。
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