研究概要 |
研究代表者は,鑑賞教育の観点から地域と芸術の連携に関する調査研究を行った。佐々は,大竹拙三を中心に地域社会における美術教育実践家の足跡に関する継続研究を行い,その成果を研究成果報告書にて発表した。山木は,鑑賞教育プログラムの研究・開発を,昨年度の継続として徳島県立近代美術館(徳島県徳島市)と共同で行った。谷口は,山田と共同で,地域社会との連携にもとづく「生きる力」を育む美術教育プログラムの研究・開発を,大塚国際美術館(徳島県鳴門市)にて行った。具体的には,鳴門市職員,鳴門市民,大塚国際美術館職員と共同で,美術館を活用した子ども向けワークショップ「N*CAP(エヌキャップ)」を企画運営し,N*CAPの成果に基づく小学校用学習指導案を網羅した「教師のための実践事例集」,「ワークシート集」の開発を行い,その成果は研究成果報告書にて報告している。 研究組織全体の取り組みとして,本研究課題に関連させ,2004年4月より研究代表者を研究リーダーとした鳴門市,大塚国際美術館,鳴門教育大学の三者の連携による「地域文化財教育活用プロジェクト」をスタートさせた。このプロジェクトは,大学の知的資源を社会に還元することをその第一の課題としており,また前述した「N*CAP」を中核とした活動を行う中で,地域の文化伝達能力に秀でた人材のネットワーク化を図り,美術教育センターの基礎を確立するに至った。地域文化財教育活用プロジェクトによって,美術教育ネットワークの基盤がつくられ,また,地域社会との連携による「生きる力」を育む美術教育プログラムの充実化及び具体化を図ることができた。その成果は研究成果報告書にて公開している。またWeb上の美術教育センターの構築とその運営を開始した。
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