本研究課題の目的は、保育活動にマルチメディアを始めとする様々なメディアを利用する時の、以下の問題点を解決することにある。 (1)様々なメディアを利用する上で、教師の熟考されたカリキュラムのもとで実践が行われていない。 (2)メディアを利用するためのリテラシーが教師に備わっていない。 平成14年度は、(1)の問題点についての解決策として、幼稚園でのメディア利用の実態把握が重要であるとの観点から、保育活動にマルチメディアを始めとするメディアを利用している全国の幼稚園13園を調査した。その結果をもとに、メディア利用の内容を分類し、(a)パソコン(マルチメディアソフト)、(b)映像作品(放送番組やビデオ教材)、(c)デジタルカメラ(ビデオ含む)に大別した。 平成15年度は、保育活動にメディア利用を考える教師教育用の教材、教師用説明書を含むカリキュラム開発を行い、幼稚園現場などでの講座を開設し、その内容を精選していき、最終的に複数のLesson Planによるカリキュラムモデルを提示することを目標とした。 そこでまず、メディアを対象にした教師教育の研修形態を、(1)共同研究者としての研修(長期的)、(2)遠隔授業スタイルの研修(中期的)、(3)現場での研修(短期的)に分け、カリキュラム案を提示した。(3)の現場での研修会では、2度幼稚園で開催し、教師教育用の遊びのプランやマニュアルについて参加者の意見を収集した。(2)の遠隔授業での研修は、試行的であるが実施し、そのカリキュラム内容を高めた。最後に、マルチメディアソフトや情報メディアを組み合わせて利用するいくつかのLesson Planを提示した。
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