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2003 年度 実績報告書

発達障害児における非侵襲的脳血流測定法を用いた脳機能評価

研究課題

研究課題/領域番号 14651028
研究機関岡山大学

研究代表者

眞田 敏  岡山大学, 教育学部, 教授 (60098126)

研究分担者 柳原 正文  岡山大学, 教育学部, 教授 (00032219)
キーワード脳機能評価 / 非侵襲的脳機能評価 / ウイスコンシンカード分類テスト / 発達障害 / 発達的変化 / 側性分化
研究概要

平成14年度の研究で用いた経頭蓋超音波ドプラー脳血流測定法は、左右同時測定が不可能なことにより、発達障害児の脳発達過程における側性分化の検討には適していないことが明らかとなった。そこで、左右前頭葉機能の同時評価が可能な2チャンネル近赤外分光法を用いて、前頭葉機能評価法であるウイスコンシンカード分類テスト(WCST)遂行中の発達障害児における脳代謝を非侵襲的に測定し、同部の側性分化を検討することを想定し、そのために必要な条件の検討を本年度の研究目的とした。
まず、課題として用いるWCSTの発達障害児への適用を考慮して、種々の同テストの手法について具体的方法、特性および発達障害児における臨床応用について、すでに報告されている文献に基づき総説として報告を行った。WCSTの各種手法のうち、多くは64または128枚のカードを用い、測定に20〜30分要することにより、注意欠陥多動性障害や広汎性発達障害などの軽度発達障害を伴う小児には適用が困難であると考えられ、15分以内で実施可能な48枚の反応カード数である慶応版WCST(KWCST)が妥当であると考えられた。さらに、6〜82歳の260名の健常児・者を対象としてKWCSTを行い、年齢による変化について検討した結果、各評価指標成績はいずれも30〜40歳代でピークに達していることが示された。また、6〜15歳の32名の注意欠陥多動性障害児との成績の比較により、保続性の誤反応や全誤反応数の評価指標において差異が認められた。さらに、各種発達障害における脳機能評価に関する研究動向について総説にまとめ、近赤外分光法が非侵襲的でポータブルであることが注目された。
以上より、今後、KWCSTを課題として用い、健常児・者と注意欠陥多動性障害を中心とする軽度発達障害児・者における課題遂行中の前頭葉機能について、2チャンネル近赤外分光法を用いる検討が妥当と考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 加戸陽子, 松田真正, 眞田 敏: "Wisconsin card sorting testの諸手法と発達障害への臨床応用"岡山大学教育学部研究集録. 125. 35-42 (2004)

  • [文献書誌] 加戸陽子, 柳原正文, 眞田 敏ら: "Wisconsinカード分類テスト(Keio版)の成績を規定する要因について"脳と発達. 36・1. 86 (2004)

  • [文献書誌] 加戸陽子, 眞田敏, 荻野竜也: "注意欠陥多動性障害児のWisconsin card sorting testによる認知特性の検討"日本小児科学会雑誌. 107・5. 76 (2003)

  • [文献書誌] Y KADO, S MATSUDA, M YANAGIHARA, S SANADA, et al.: "Modified Wisconsin card sorting test : Cahnges with age and its clinical application for attention deficit hyperactivity disorder (ADHD)"Journal of Intellectual Disability Research. 48. (2004)

  • [文献書誌] 眞田敏, 玉木涼子, 加戸陽子: "発達障害の客観的脳機能評価に関する神経生理・心理学的研究の現状"岡山大学教育学部研究集録. 126. (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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