栄養学においては各個人の栄養摂取状況を把握することが必須であり、従来は栄養士が食品成分表に基づいて計算業務を代行することが多かった。本研究ではIT(information technology)の基盤整備の進行と、生活習慣病の一次予防として食事に対して自己責任を持つという意識の変化を踏まえて、スポーツマンに対象を絞り、インターネット上につぎのような機能を担う栄養計算サイトを立ち上げることを目的として本萌芽研究を行なった。1)使用者の入力に基づいて栄養計算を行い、スポーツマンの要求を満たす。2)インターネット・サイトを栄養調査法として活用する方法の確立をめざす。3)サイトの公開を通して、ITの基盤整備に呼応した大学としての社会的役割を負う。平成16年度までに利用者の入力情報に基づいて栄養計算および統計処理を自動的に行うプログラムを作成した。本サイトは栄養計算プログラムと集計プログラムから構成されている。しかしながら目標として掲げてていたサイトの公開までには技術上の問題から至っていない。平成17年度には栄養計算サイトの試験的公開を行い、不備を点検する。この試験公開はまず大学内の学生を対象として3ヶ月間行い、この間に見込まれる約50名の利用者の利用状況を分析する。この試験期間の後に学外からのアクセスを許可し、この期間に1)新たな食品(約500品目)についての栄養成分をプログラムに追加し、2)食品項目名は検索頻度に応じて入力作業が容易となるよう並び変える。
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