研究課題
魚は哺乳類と異なり中枢神経軸索の損傷を受けても再生する。我々は視神経をモデルとして魚類の神経両生分子をクローニングし、プルプリン、トランスグルタミネース等をクローニングした。これら分子のcDNA全長を得、まずプラスミドに組み込み大腸菌にトランスフェクションし(1)リコンビナント蛋白を精製した。(2)この蛋白からペプチド抗体やウサギに免疫し抗体を作製した。(3)更に標的遺伝子特異的なRNAiを行なうためsiRNA用のプライマーを設計した。ルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとして、標的遺伝子のルシフェラーゼ活性を指標に遺伝子発現の抑制量より適するプライマーを取得した。網膜組織培養切片を用いて神経突起の伸長(神経の再生)を見た所、プルプリンやトランスグルタミネースのリコンビナント蛋白の添加により著明な神経突起の伸長が見られた。逆に抗体の添加により神経突起の伸長が抑えられた。また、リポフェクタミン2000の共存下にsiRNAを添加したところ、ランダムプライマーによるmock実験と比べて著明に神経突起の伸展が抑制された。以上の結果より、見つかったプルプリン、トランスグルタミネースが網膜の神経節細胞の軸索伸長(視神経の再生)に大きく関わっていることが判明した。現在、ウィルスベクターによる過剰発現の影響と哺乳類網膜への導入実験を行っている。この様に魚で得られた遺伝子の導入や抑制実験により新しい網膜での機能が明らかにされた。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
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