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2003 年度 実績報告書

電位依存性Ca^<2+>チャネル遺伝子変異マウスを用いた痛覚情報伝達メカニズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 14704022
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

栗原 崇  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60282745)

キーワード神経因性疼痛 / 電位依存性Ca^<2+>チャネル / N型Ca^<2+>チャネル / 遺伝子発現変化 / マイクロアレイ / Ca^<2+>チャネル欠損マウス
研究概要

末梢神経損傷に伴う神経因性疼痛の発症が著明に減弱しているN型電位依存性Ca^<2+>チャネル欠損マウスを用い、後根神経節・脊髄・延髄・視床・中脳・大脳皮質において発現変動を受ける遺伝子産物をマイクロアレイにより検索した結果、各部位において発現変動を生じる遺伝子が複数種見出された。現在発現変動の再現性を他の手法(Northern blot、免疫組織化学など)を用いて行っている。また薬理学的に抑制が可能な標的遺伝子産物に関しては、薬物投与により神経因性疼痛行動に変化が生じるか否かを検討し、髄腔内投与あるいは脳室内投与により、実際に疼痛行動の抑制が観察される薬物を現在数種見出している。
脊髄レベルにおける生理学的検討として、マウス脊髄スライス標本を用いたpatch clamp法、膜電位感受性色素染色による二次元多領域膜電位変化測定法、細胞内Ca^<2+>濃度変化測定法などの条件検討を行い、これらの手法を用いて行動学的に神経因性疼痛を抑制する薬物の作用メカニズムの検討を平行して行っている。またマウス脊髄in vivo patch clamp法によりII層膠様質神経細胞からのシナプス応答の記録に成功しており、より生理学的な検討を行えるシステムを確立した。
本年度は、内臓痛条件刺激により誘発される内因性長期疼痛抑制機構に関する実験結果と、急性炎症後のN型Ca^<2+>チャネル発現の可塑的変化が慢性疼痛発現に関与する実験結果に関して英文論文を発表した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kurihara, T.et al.: "Acetic acid-conditioning stimulus induces long-lasting antinociception of somatic inflammatory pain"Pharmacology Biochemistry and Behavior. 74. 841-849 (2003)

  • [文献書誌] Yokoyama, K., Kurihara, T.et al.: "Plastic change of N-type Ca channel expression after preconditioning is responsible for prostaglandin E_2-induced long-lasting allodynia"Anesthesiology. 99. 1364-1370 (2003)

  • [文献書誌] 栗原 崇, 田邊 勉: "カルシウムチャネルの構造と機能"神経研究の進歩. 47. 181-191 (2003)

  • [文献書誌] 栗原 崇, 田邊 勉: "Nタイプカルシウムチャネル"日本薬理学雑誌. 121. 211-222 (2003)

  • [文献書誌] 栗原 崇, 田邊 勉: "テトロドトキシン抵抗性Na^+チャネルと神経栄養因子BDNF-新たな疼痛発生機序の可能性"日本薬理学雑誌. 121. 276 (2003)

  • [文献書誌] 横山 和明, 栗原 崇 他: "疼痛における電位依存性Ca^<2+>チャネルの役割"J.Neurosciences for Pain Research. 5. 12-20 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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