平成14年度の本研究では「漢字データベースとWWW型教育システムの開発」を行った。以下、本研究のサブテーマごとに本年度の研究実績を説明する。 1.漢字DBMSの開発 漢字教育システムへ利用できる漢字データベースの拡張を行った。特に本年度は、小学校低学年または日本語初学者用のデータの整理・追加を行った。漢字データベースの制御・管理モジュールに関してはプロトタイプシステムを構築した。本プロトタイプシステムでは、特に漢字教育システムが漢字データベースを利用して自動問題提示するに十分な機能を有するかどうか確認した。 2.WWW型教育システムの開発 本年度は、WWW型漢字システムとして、ドリル形式に着目し、漢字の意味、読み、部分構造を順番に学習させる自動ドリル生成型漢字教育システムと、学習環境にシューティングゲームを取り入れ、ゲームの文脈の中で漢字ドリルができるゲーム型漢字教育システムの2種類を第一次試作した。特にドリル形式では学習者の動機付けが低くなる問題があるが、前者では単位時間あたりの学習者の学習効率をあげる、後者ではゲームの文脈により動機付けの低下を抑えることによりこの問題を解決する。また、両システムとも1.で開発した漢字データベースを利用してシステム開発を行った。これらのシステムは次年度以降の研究で統合型学習環境の中に組み込む予定である。 3.資料収集のための国内研究会等の参加および中間成果報告 本年度は、本研究に関して教育システム情報学会CAI研究部会研究会と電子情報通信学会教育工学研究会にて研究報告を行った。また、本研究では他機関の研究者の研究コラボレーションも重要であり、そのために教育システム情報学会全国大会や国際会議ICCE2002(International Conference on Computers in Education)などに参加し、資料収集および研究連携の呼び掛けなどを行った。
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